邂逅 | 詩人:Writer 上杉浩司

邂逅

 

 

 

 

時の長さを想い

あなたに会えない時間を美化する

美化をするから

余計にあなたに会えないという論理が

確かに存在する

 

考えてもみて

あなたを愛していますと

そんな顔をして

あなたに会えるわけがない

 

そこが人生の面白さ

沢山の失望が生まれ

沢山の誤解が生まれ

そしてそんなものたちがどこかで

邂逅する

そして社会を作ってしまうのだ

 

多分あなたと私は

もう邂逅することはないと思う

ただ以前どこかで邂逅したことを

思い出しているのだと思う

 

思い出すことに

創造性はない

だからもう永遠に

 

私たちは

邂逅することが

ないと思う