詩人:Writer 上杉浩司

 

 

 

だれの音?

耳をすませて

その音を聞きながら

何かを言いたいのに

何も話せない

 

それは

何かを話すことを私が

自分に許していないから

許そうとしないから

 

自由なんかじゃない

私は

 

汲み取ってはならない

感情もあるし

投げかけてはいけない

視線もある

 

要するに

自分の中に

様々な規則があって

 

いくつもの規則が

しのぎをけずるように

絡み合って

ますます自分の感情から

ほど遠いところに

私の感情が存在して

私自身が

息を飲んでしまう

 

常に一つの存在があり

その存在に優しく打ちのめされて

私は徘徊する何かのように

その存在の周りを

 

歩いているのか

走っているのか

這っているのか

 

果たして

倒れてしまっているのか

 

またまた

愛しているのか