光量子研究の分野ではUniversity of Arizona 、University of Waterloo 、University of Toronto の3校は世界的な聖地です。
University of Arizona
光学分野で全米No.1の Wyant College of Optical Sciences があります。多くの大学では「物理学部」の一部で光学を学びますが、ここは「光学そのもの」が独立した学部になっており、光量子デバイスの設計・作成において世界最強の環境です。
University of Waterloo
量子研究の世界三大拠点の一つ IQC (Institute for Quantum Computing) を擁します。理論から実験まで幅広く、特に量子暗号通信や光子を用いた実験で世界をリードしています。
University of Toronto
光量子コンピューター開発で世界トップを走るスタートアップ企業 「Xanadu」 は、ここの研究室からスピンオフしました。量子機械学習(Quantum ML)の発祥地の一つです
合格への戦略とパイプライン
アメリカとカナダ(UW, U of T)では入試システムと重視されるポイントが異なります。
カナダ
カナダのトップ校は、アメリカに比べて「学業成績(GPA)」と「理数系コンテストの実績」を重視
最重要アクション: 数学の成績を極める
特にWaterlooの数理・コンピューター科学系学部は、高校の成績がほぼオール5(評定平均4.8以上目安)である必要があります。
Euclid Mathematics Contest: Waterlooが主催する数学コンテストです。日本からも受験可能で、これのスコアが良いと合格と奨学金獲得に直結します。高2〜高3で必ず受験してください。
出願時期: 高3の9月〜1月(オンタリオ州の出願システム OUAC を使用)
アメリカ
最重要アクション→出願エッセイで、「なぜ物理学部ではなく、アリゾナの光学科学部(Wyant College)でなければならないか」を具体的に語る必要がある
高1〜高3のタイムライン
高2 夏 英語力完成 (TOEFL iBT 90+ / IELTS 7.0+)理系科目に集中するため、英語は早めに終わらせるのが鉄則
高2 秋〜冬 Euclid Math Contest 過去問に取り組む
高2 冬 SAT受験 Mathで800点満点を狙う
高3 夏 エッセイ構想「光」に関する自由研究や科学コンテストの実績をまとめる
高3 9月 出願開始トロント大、WaterlooはOUAC経由
4. 学費と経済的支援(Financial Strategy)
学費の目安(年間・授業料のみ)
U of Toronto: 約600万〜700万円(非常に高い。毎年値上がり傾向)
U of Waterloo: 約500万〜600万円
U of Arizona: 約450万〜550万円
経済的支援の勝ち取り方
Waterlooの「Co-opプログラム」を活用する
Waterlooは、座学とインターンシップを交互に行う「Co-op」が有名
Waterlooの学生は在学中に合計2年間の就労経験を積みます。給料が出ます(IT・量子系なら高給)
Arizonaの「Merit-based Scholarship」
留学生向けに「Global Wildcat Award」などの奨学金があります。GPAとテストスコア(SAT/TOEFL)が良いと年間$5,000〜$20,000程度の学費減免が自動的に適用される場合があります。
JASSO (海外留学支援制度): 学部学位取得型。月額奨学金+授業料支援。