政府文科省、経団連、大学関係者などの日本の指導的立場にある連中は口を閉ざしているが日本の大学の90%以上が致命的欠陥を抱えている。
それは「教員が保有する学位」だ。欧米先進国は言うに及ばず世界中の大学の常識は「大学教員になれるのは原則としてPh.Dの学位を有している者」だ。ところが日本の大学は、この常識が徹底されていない。さらに文科省はPh.Dの学位を有していない「博士課程は終了したけれど博士号を取得しなかった者」をこともあろうに「博士号を取得した者と見做す」というデータ改竄を行なって素知らぬ顔をしているのである。この事に関して日本人は全く関心を寄せていないので社会問題にはなっていないが、この点に、何故日本の大学はTimes Higher Educationの世界大学ランキングで90%以上の大学が600位以下に低迷しているのか?という疑問へのヒントが潜んでいる可能性がある。あからさまに言ってしまえば日本の90%以上の大学は欧米先進国の大学の定義に含まれないシロモノなのだ。
下記は文科省が公表しているデータだが、開いた口が塞がらないほどの酷い内容だ。日本語が分かる欧米の大学関係者などがこのデータを見たなら腰を抜かすに違いない。大学学部教員のPh.D保有率は40.8パーセントしかない。しかも「博士には単位取得満期退学を含む」という断り書きが表の下段にひっそりと書かれている。一体、本当のPh.D学位保有率は何%なのか?は闇に包まれている。不思議なことに、その点を日本のジャーナリスト、政治家、経済界の誰一人究明しようとしない。これが日本という国の真の姿なのである。日本では何十年にもわたって「大学改革」が課題になっているが、一度たりとも教員の保有する学位が問題視されたことはないと思う。