「颯馬(ふうま)血液検査結果で黄疸が出た!」
昨日、病院につくと、美香が一人シクシクと泣いていた。
美香のベッドの隣には、光線療法中の颯馬(ふうま)。
血液検査結果で黄疸が出たのだ。
最悪、脳に障害を起こす危険性があるらしいが、
ほとんどの赤ちゃんに黄疸は出生2~3日後に見られるみたいだし、
俺が「大丈夫!心配ないから」って、伝えても、
罪悪感と仰々しいブルーに光る装置に寝かされた颯馬が
不憫でしかたないようで、美香は泣き止まない。
「大丈夫!」の判断は、
颯馬に飲ませたミルクは初日10㎖、2日目は30㎖。
そして3日目の昨日は、40㎖を飲んだからだ。
最後の一口は美香がやっても俺がやっても飲まなかったが、
看護師を呼ぶと、すぐに全部飲み干した。さすがプロは違う。
俺が来て安心したのか、美香はぐっすりと眠りに落ちた。
ずっと睡眠不足が続いてるから、
「今晩くらい颯馬をプロの看護師に任せて、ゆっくり休め」
って伝えた。
とにかく、産後、美香に限らず、
ママたちはホルモンバランスが崩れて
いつもより不安でいっぱいで感情的になっている。
「産後、不安定なのが当たり前なんだ」という大前提で接しないと、
夫婦喧嘩に発展すると思う。
出産後は、特にパートナーのサポートが不可欠だ!
具体的にはコミュニケーションをマメにとること。
FBメッセンジャー、LINEもいいけど、直接の会話が一番。
初日、美香に頼まれて病院に持って行ったモノ。
LINEのシムカード、 腕時計、歯磨き粉。
2日目、持ってったモノ。
クリップボード、 赤ちゃん用・爪切り、S字フック、ランプ。
すでに颯馬の爪が伸びていたのにビックリ!
小さなハサミのような爪切りが懐かしかった。
娘たちの爪をよく切ったな。
なぜ、ランプなのか・・・
どうやら、美香も颯馬も2日間、授乳室にいて夜は一睡もできてないらしい。
「ドイツ製NuKのおしゃぶりに救われた颯馬との初夜。
なんか、陣痛促進剤の副作用が
ふうまに影響しちゃってるみたいに、突然起きちゃうの。
同室に帝王切開で悶えてる子がいたからずっと、
煌々と光る授乳室にいた。
この明かりも多分ずごく眩しいと思う。
私の机の丸いランプが丁度良さそう。
ミルクが少ないかもしれないし。私の抱き方なのか。
とっても不安な一夜を過ごした。
今日、面会時間の15:00から私とバトンタッチして欲しい。」
by 美香。
って、朝メッセが入ったりもした。
「おしゃぶり」で何とか泣き止んだらしい。
「託児所はオリバーツイストの世界だった。 泣かせっぱなし。
私あんなところの保育器の中に置き去りにされてたのね。
そして、ふうまも、出産後すぐ離れ離れ。罪悪感。
でも病院がなかったら、もっと産後の肥立ちに関わるし。
もっと、ふうまと繋がれるようにしたい。」
by 美香
なんか美香のメッセにウルってきた。
この病院は、美香が産まれた病院なのだ。
パパ目線ではわからない、
美香を通して世のママの心が、ちょっとだけ、わかった気がした。