「我々が忘れかけていたもの」 | 「地球探検隊」中村隊長の公式ブログ【ビタミンT】

「我々が忘れかけていたもの」

   空気は、
   読むものじゃなく
   吸い込むものだった、と思い出しました。
   「青春18きっぷ」ポスター紀行、込山 富秀

 

先月、「内モンゴル騎馬遠征隊」の旅で
乗馬初日に大きな事故があって
ずっと怪我をした隊員(お客さん)と病院にいたので
他の隊員たちが旅を楽しめているかが気がかりだった。
参加者のほとんどが地球探検隊の旅に初参加だったからだ。
唯一のリピーター隊員Nobu Nobushige Iwasaki
の、この文章が目に留まったとき、凄く嬉しかった。
コレだよ、俺がモンゴルで感じてほしいのは。

  「営業に行ってきます!」
  と、会社を飛び出し、そのまま中国は”内モンゴル自治区”へ。


  何もないってなんだろう?

  普段利用している文明の利器が無いことをいうのだろうか?
  周囲に商業施設や観光名所が無いことをいうのだろうか?

  「草原以外何もない」

  そう思い込んでやって来たこの場所には、我々が忘れかけていたものや、

  手放してしまったものがあふれかえっていた。

  無限に広がる大地
  エアコンより心地よい乾いた風
  人々の温かさ
  枯渇した喉に流れる甘美なスイカの果汁
  人懐っこい犬たち
  開放感いっぱいのトイレ

  井戸水を頭からかぶる爽快感
  命の尊さとその命によって生かされているという実感
  ドラマチックに移り変わる空
  近所の公園の街灯より明るい月のまぶしさ
  クリスマスのイルミネーションより壮大な星々の輝き
  外で寝れる幸せ
  そして何もする必要の無いゆるやかな時間

  そう、
  モンゴルには「草原しかない」のではない。
  モンゴルには「草原がある」のだ。


  「何もない」ってのは、きっと自分の感性が無くなってしまったことをいうのだろう。
  Nobu

 


   旅は、
   いつだって一回きりです。

   同じところに、
   また行くことはできても、
   同じ旅はできない。

   「青春18きっぷ」ポスター紀行、込山 富秀