「僕は人生についてこんなふうに考えている」
私の生き方。
一瞬を大切にすること。未来を望まない。
過去にこだわらない。
自分が今あるこの一瞬を、
握った宝石のように大切にすること。
ただそれだけよ 浅田 次郎 (著) 『王妃の館』
帯に「男の大学」とあって手に取った。近所の書店で「男の大学フェア」をやっていたのだ。この本はアンソロジーにまとめたものだ。オレは浅田次郎の作品は読んだことがなかったが、この本で片っ端から読んでみようと思った。
共感した人間、浅田次郎の人生観あふれる文章をいくつか抜粋して紹介、読者とシェアしたい。
幸福と不幸は神様がコントロールしているわけじゃないわ。人間が選んでいるわけでもない。ひとりひとりが、幸か不幸かを勝手に決めているだけ『王妃の館』
恋に言葉はいりません。そばにいて、魂が通い合えばそれでいい。「宵待草」『天切り松 闇がたり』
女は過去を忘れる。男はこだわる。もともと生理的に、そういう習性がある。たぶん本能だと思う。牝(めす)は受胎したとたんに愛したことも愛されたことも忘れて母になる。そうでなければ種を維持することはできない。逆に、牡(おす)は愛し愛されることにこだわり続ける。これもまた、そうでなければ種を維持することができない。だから女は、過ぎ去った恋を忘れる。男は永遠にこだわり続ける。『シェエラザード』
あなたがどこの誰かは知らないけど、人間は「ありがとう」を忘れたら生きる資格がないんだよ。『椿山課長の七日間』
苦労とは、すればいいというものではない。苦労がすっかり板につき、顔にまで出てしまう人生は不幸である。苦労を積み重ねるのではなく、日々の幸福を積み重ねることこそが、真の人生経験なのである。『絶対幸福主義』
やい、人の話を帳面に書きとるてえのはたいげえにしない。そういう了簡じゃあ、いくら足を棒にして歩き回ったって、いい仕事はできやせんぜ。他人様(ひとさま)の話はみんな説教だと思って、一言一句、胸の底にお収(しめ)えなせえ。まだ若いな、客人。『壬生義士伝』
「分相応」は私のモットーである。自分の身丈に合った生活をしていれば幸福は保障される。だが「分相応」に暮らしながらも「齢(とし)相応」の夢を見なければ人間の未来はない。『プリズンホテル<4>春』
自分のキャパシティがこれでいっぱいと思うのは思い込みに過ぎません。人間には無限の可能性があるのです。『勝負の極意』
さあーて、どの作品から読もうかな・・・。
書物は多くの知識を私に与えてくれたが、
「いかに生くべきか」という知恵を与えてはくれなかった。
知識は頭で覚えるもの、知恵は体で覚えるものだからである。
浅田次郎(著)
あとがきより
