「一人旅って、何かがもう限界なんじゃない?」
あなたがどこから来たのかは関係ない
重要なのは、あなたがどこに向かっているのかだ
ブライアン・トレーシー
内モンゴルの旅報告を続けよう。
調剤兼漢方薬局に勤める傍ら東京都豊島区西池袋で針灸院を開業
している隊員ケンタロウ。
ケンタロウのいるオレたちのゲルは鍼灸院となっていた。オレも生まれて初めて針治療をやってもらう。
現地レンタルしたイングリッシュタイプの鞍が壊れていて使い物にならない。初日は、乗馬経験のあるオレとマチの2人がモンゴル式の鞍に乗った。
鞍に小さな突起物があるため、今まで痛くなったことのない内股が痛くなった。おまけに日本から腹の調子もよくない。ケンタロウに診てもらうと、針治療+漢方薬で一発で良くなった。
「素直な人ほど良く効くんです」と、ケンタロウ。
「美容針」をやってもらった隊員よーこ。「確実に効果あり!」と誰もが認めた・・・。昨年、大活躍だったモンゴル人看護士は今回の旅にも同行していたが、彼の出番はなかった。
「まだまだ馬の写真見ただけで涙出てきます」
というケンタロウからも旅の感想が届いた。
●ケンタロウ(東京都・男性)
隊長との出会いは2年程前。ある旅好き仲間との飲み会でたまたまお知り合いになって名刺交換をした。しかしとってももったいなかったが、その後隊長が何をやっているのか良くわからないまま積極的にコンタクトを取らず二年が経った・・・
またその二年で新たな世界を見つつ、かれこれ47カ国旅をした。しかし、最近の旅には何だか空虚感があった。
一人旅って、何かがもう限界なんじゃない?
僕は日本人の中では中の上くらいは旅をしていると思う。それが仇になっているのか、誰もが通る道なのか、すごい世界遺産を見てもそう簡単には感動しない。ちょっとイイ物を見ても、○○と同じくらいだな~とか、○○には劣るね。な~んて冷めた目で見てしまう。旅って何なんだろうな~と思っていた。
そんな状況の中、縁あって中村隊長と再会出来た。その日は隊長の2冊目の本の出版記念パーティー
。隊長が熱く語るモンゴル。7月のモンゴルツアー、ムリをすれば行けない日程では無い!と積極的に動いた。
何とか日程を調節、そしてモンゴルへ・・・
モンゴル初日、馬に乗ってモンゴル衣装をまとった少年達がバスに併走してくれて歓迎。すでに大感動。ここからすでにうるうる始まっていた。モンゴル馬はポニーくらいのサイズを想像していたが、立派な馬だった。
到着すぐに馬乳酒を用意してくれていた、モンゴル人お母さん、薬指を杯の中に入れ天に向かって3回跳ねる。モンゴル情緒あふれる儀式だ。
その後は乗馬の準備をし、初日~最終日まで同じ馬、同じ鞍。名前はfuture promissと決めた。理由は秘密。フルネームは呼びにくいので「ふゅーちゃん」
モンゴル少年達は底抜けの笑顔。終始、みんなの馬の鞍がしっかり付いているか、自分たちも乗馬を楽しみながらもチェックしてくれている様だった。想定していなかったけど、みんな中国語も出来る。もっと勉強しておけば良かったとちょっと後悔(TロT) 全く言葉が出来ないよりはコミュニケーション取れたので良しとしよう。
ここでもだが、彼らの様な素晴らしい笑顔をくれたり、大草原(今年は雨が少なく草原が乾燥気味だそうだが)素晴らしい自然の景観美や夜空も、実は同じようなモノ、それ以上のモノはたくさん観てきている。けど、一人で見るモノとは違う何か。それがこのツアーメンバーと一緒だとあった。
最終日空は朝から怪しかった。ここシリンホトに一ヶ月も降らなかった雨が降り出した。乾いたモンゴルの大地にとって待望の雨だ。一気に寒くなり、前日はTシャツ一枚でも暑かったくらいだが、ダウンジャケットが必要だった。モンゴル相撲を鑑賞したあと、再び乗馬。
そして雨の中のレース。2着は行けるかな~と思ったがバイク乗り2人には及ばず3着。ふゅーちゃん良くやったと褒める。
ゲルに着き降りる直前、ふゅーちゃんにはもう乗れないんだ、最後なんだ・・・と思うと涙があふれ出した。この心情には自分でも驚いた、すっかり感情移入してしまっていたのだ。そしてしばらくの間、ふゅーちゃんから降りられなかった。すっかり愛おしい存在になってしまっていた。大人になってから、こんな涙を流した事があっただろうか?思い出せる限り恋人と別れる時くらいの心情も似たようなモノだったかも(笑)。
最初は言う事を聞かずに勝手に走る。勝手に止まる。それが段々と言う事を聞いてくれる様になってそれこそ人馬一体。レースの後にハスさんにもう一度ギャロップ中の身体の置き方のコツを聞いた。その後に、隊長と隊員マチと3人で1キロ程ギャロップで走っただろうか、今回のトップスピードでの走行。あのギャロップの感覚は忘れない。
更には自然までもが、心憎い演出をする。
最後の乗馬を終え皆疲れた中、ゲルで休んだり、プレゼントの準備をしているさなか、誰かが叫んだ。
「虹だ!」
皆がゲルから飛び出す。初めて見た、キレイな半円を描いたこれほど大きな虹。大きすぎてカメラに収まらない。
そして僕は気付き「ダブルレインボーだ!」と叫ぶ。そして皆が更なる歓声!更には夕日もすごかった。これを共有出来た瞬間、更に皆が一つになった気がした。そして、夕日をバックにジャンプした写真を撮ったりと、更なる思い出作りが出来た。
なんでこんなに感動するのだろう?
神様はこんなにニクイ演出をしてくれるのだろう?
全てが最高だった。出発前の一抹の不安。そんなモノはモンゴル初日からふっとんでいた。隊長の本の中にあった、「オレは二十代では一人旅がもっともレベルが高い旅だと思っていた、しかし現地発着ツアーに出会い、それは幻想だったと気付いた」(原文は多分違うが大同小異)
出発前に僕はこれを理解出来ていなかったが、彼らと旅をするうちにその事の一旦も触れられた。一人で得られる感動には限界がある、感動が共感に変わる瞬間。それをまじまじと感じられた。
人が人と創る旅。今までの旅がなんだったのか?と思える程の強烈な印象の残る旅でした。もう地球探検隊
を止められない。
ケンタロウ
今日はこれからケンタロウ主催のプレ写真交換会という名の飲み会。オフィスではmakotoがプレ上映会をやってくれる。その後、池袋のモンゴル料理「故郷(ノタガ)」
へ集合する。
人は自分の選んだ道でしか
きっと走れない
田村 由美