「結婚記念日(2)」
かつて、オレは川越に住んでいたことがある。でも知っているようで知らない・・・ちょっと路地裏へ入るとレトロな店が軒を連ねる。
「小江戸・川越」こんな素敵な街だったっけ・・・
雑誌『散歩の達人』
によると、氷川神社の例大祭・神幸祭と「川越まつり」が重なる今年は特別らしい。これを逃すと27年後・・・こういうのに弱いオレ。
「川越まつり」妻と2人できたことがあったが、すでに10年以上前になるのか・・・「祭り」と聞くと血が騒ぐオレ・・・。
時の経つのは早い・・・しかし凄い賑わいだ。18:00を過ぎて薄暗くなってくると、お囃子や人のかけ声で、街全体が興奮のるつぼと化していく・・・。
「パパぁ~コレ見て!ちょっと、こっち来て!」
娘の未空の声に店に戻って、ふと気づくと、妻がいない???
「マジっ!、妻が迷子かよ~」
前にも後ろにも、妻の礼子がどこにもいない・・・もう辺りは真っ暗・・・もの凄い人でよく見えない・・・大衆がひとつの怪物のように動いている・・・小さな娘たちが飲み込まれそうだ・・・
下の娘、七海が「ママァ~!ママァ~!ママァ~!」と大声で泣き出す・・・
それから、すぐに2人が揃って「パパおしっこぉ~」
こんなところで、すぐにトイレはない・・・
たまらずに居酒屋のトイレに駆け込む
「ちょっと、すいません。トイレ借りていいですか?ほら、行ってこい!」
「ココ、こわいぃ~」
「そういうことを言うな・・・」
お囃子の音がうるさいくらいに鳴り響く・・・
妻から携帯に電話・・・妻は携帯をもっていない。公衆電話からだった。
妻: 「今どこ?」
オレ:「○○って、さっき寄った店、わかる?」
妻: 「わからない」
オレ:「じゃ~ほんかわご」
「プツ!ツゥーツゥーツゥー・・・」って、
「お~い、小銭もっと入れとけ!」
「コラっ! 未空、七海、二人とも手を離すな!」
2度目の電話で本川越駅の改札で妻を待つこと40分・・・
見物ポイントとなる交差点で山車が止まって、身動きがとれなかったという。
トドメは七海の「パパ おんぶ・・・」
どっと疲れた・・・今日って、そう【結婚記念日】。
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、
ロングショットで見れば喜劇である。
チャーリー・チャップリン