クシシュトフ・キェシロフスキ「トリコロール/赤の愛」 | 記録(G)

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30代後半です。

モデルの女性と元判事の老人が主軸に話が進む。

モデルの女性には恋人がいるが、電話越しに声のみ登場する。

会話の内容はいつもこんな感じ。

一人?そこに誰かいる?


そして、元判事は近所の家の電話を盗聴している。

トリコロールの赤は「隣人愛」を表す。


ちなみに青は「自由」、白は「平等」

言われてみれば、確かにそんな内容だった。



青では死別した夫の未完成の交響曲を完成させて、夫の家も愛人に渡してしがらみから自由になった。というのは私の解釈で、本当は孤独だと自由になれないという事らしい。


白では痛み分けというか、勃たないことで離婚を迫られることは牢獄にぶち込まれるような苦しみだと妻に身をもって分からせ、平等になれた。というのは私の解釈で、本当は互いに傷つけ合うことでしか平等を取り戻せなかったという皮肉を表しているらしい。


赤では隣人の元判事が皆の電話を盗聴し、法廷では知り得ない真実に基づき、様々な事を判断する。それが隣人愛?


この元判事にそっくりなスペックの若い男性も登場するが、彼もまた元判事に電話を盗聴されている。

彼女との電話の内容はこんな感じだ。



その他、元判事が盗聴している隣家の家族の男性は妻子がありながら、同性愛者の若い男性とよく電話で話しているが、幼い娘がその会話を子機で拾って聞いている。

その描写が分かりにくいというか、デジタルな社会に完全移行した現代の若い人には娘が子機を持って窓際にいる映像が一体、何を指し示しているか分からないと思う。

私もそういえば、親機の会話は子機で拾えたな、とおぼろげに思い出した。


結局、元判事にそっくりなスペックの若いイケメンの恋人は別の男性とも付き合っており、若いイケメンの行動は、

今から会いに行くよ


こんな感じだ。


多分、シカオは「隣人愛」を歌っているだけなんだなとこの映画を観て気づいた。


ラストシーンで、大型客船が沈没したというニュースが流れる。生存者はごく僅かで、その名前が読み上げられる。それが3部作の主人公達というオチ。


元判事=神の暗喩なので、神が救ったのは、本当の自由、平等、博愛に気づいた人達という意味なのだろうか?


20250531 8:00 一般公開