忙しくて投票に行く時間が無かった。
夫と結婚してからは、私の住民票は私の自由に出来たので、居住地に住民票があり、居住している地域の選挙に参加できるようになったのだ。
なので、日曜日の朝に夫と選挙に行っていた。適当に見たことがある人の名前を書いて投票。
夫と結婚する前は私がどこに住もうとも、母親が私の住民票の所有権を握っていた。これは、私の所得と健康情報を把握し、私が勝手なことをしないようにするためだ。散々、ソープに売り飛ばすと言って育てて来たのに、そういうところで働いて所得を得る事は許さないということなのだと思う。これが私がタダで身体を売ることになる前提条件となった。自分で自分の身体に値段を付けて売り出せる人は恵まれていないようでいて、実はとても恵まれているとも捉えることが出来る。自分の身体の所有権は自分にあるのだから。
そのような状況なので、気軽に病院には行けなかった。ちょっと具合が悪くて産婦人科にかかったりできない。このせいで、私はとんでもない被害を被った事があるのだが、まぁ、今回はそんな話ではないので省略したいと思う。
結果的に夫が私の戸籍と住民票を取り返してくれたので、私はようやく一人の国民として近所の投票所に気軽に投票に行けるようになったのだ。
私が夫と結婚するというのは、一組の男女がお互いに恋愛感情を抱いて、その末に結婚に至るという牧歌的な何かとは違うニュアンスが含まれる事がこの説明で少し分かったかもしれない。
投票券は住民票に記載された住所に届くことになっているが、その対象者は住民票の住所に住んでなくて、投票に行かない人なんて世の中に結構いるんじゃないかと自分の事例を見ても思ってしまう。
住民票のある地域に住まないような日本人の票は要らないということなのかもしれないが、本当に助けを必要としている人はそういう人の中に紛れ込んでいる事が案外多いのかもしれない。