ヴィム・ヴェンダース「都会のアリス」 | 記録(G)

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何かの記録
穏やかに過ごして行くために記録を取っています。
30代後半です。




好きなタイプの映画。

母親に置いて行かれた少女と少女を押し付けられる形となった青年の行方のあるような無いような旅の話。

青年というかまあ、9歳ちゃんから見たら、31歳はおじさんだろう。

子育てしたことないおじさんにいきなり9歳の子どもができる感じ。

でも、9歳の女の子なので大人びて落ち着いているのが救いといったところ。

なんか私もおじさんと旅したくなった。

このおじさん、なんだかんだで面倒見がいい。

それを見てたら、このおじさんとずっと一緒にいたいなと思った。

自分を捨てて、男に会いに行く母親より、おじさんの方が良いでしょ。

母親が自分を捨てたことを知って女の子が泣くんですよ。

おじさんは仕方ないから慰める。

こんなの好きになるでしょ。仕方ないでしょ。

別にお互い好きみたいな描写は無いんだけど。

途中、大人の女が出てきて、それがおじさんの女っぽい描写があって、その女の語りっぷりでおじさんがどうやら屑男っぽいことが分かるんだけどさ。

後、写真ばっかり撮ってて仕事の原稿を全然書いてないからお金がないとか、お金がないから、たまたま会った女の人の家に女の子をダシに泊めてもらうとか、結構、クズだね。

顔が良いだけでクズ。

大人の女の人が出てくると必ずセックスしたらしき描写がある。

女の子の母親ともヤったし、途中泊めてもらった女性ともヤった感じ。

別にそこはクズじゃない。

私もヤりたい。


海に行こうって行って、泳いだ後に砂浜の木陰で休むんだけど、私達、親子に見えるかしらって女の子が言うんです。そして、わざわざ、近くの暇そうな女性に聞きに行く。

そして、ちゃっかりおじさんはその女性の家に泊めてもらう。

そして、ヤる。


音楽が物悲しい。

二人の間に絆のようなものがずっとあるから、音楽の物悲しいメロディに心を潰されたりしないけれども、二人のこの状況ってちょっと間違えば、たちまち絶望感とか悲壮感とかに包まれてしまうことを表しているのかもしれないなと思った。


最後、母親と祖母の居場所が見つかって、警察におじさんがしょっ引かれることなく、アリスが警察に母親がいるところまで行くためのチケットを買って貰う。だけど、おじさんはお金がないからチケットが買えない。そこで、アリスが自分の財布からチケット代をおじさんに渡す。

そして、おじさんとアリスは無事母親の元に向かう…という映像には見えないかもしれない。

おじさんにお金を渡して、更に旅を続けるのかもね。

精神的にもうアリスは母親を見限っていると思うし、現実的にはどうであれ、もう最初の「母親の子ども」という状況では無いことを示しているのだと思う。