造血幹細胞移植を受けた患者におけるサイトメガロウイルス(CMV)の再活性化とそれによる肺炎などのCMV感染症にどう対処するかは、造血幹細胞移植に伴う大きな問題とされてきました(この点に関し、日本造血細胞移植学会も、サイトメガロウイルス感染症の予防と治療のための診療ガイドラインである造血細胞移植ガイドライン サイトメガロウイルス感染症(第4版)を出しています。なお、サイトメガロウイルス感染症の治療については、東京大学大学院医学研究科における平成20年の博士論文の要旨である、森有紀「同種造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染症の臨床評価と治療戦略の検討」が参考になります。)。
しかし、この厄介なサイトメガロウイルスの再活性化に関して、最近新しく開発されたTriplexワクチンを事前に2回程度打つことで、ほとんど副作用もなくサイトメガロウイルスの再活性化による感染症を半減させる効果を持つことを示した、Triplexの第2相治験の結果が2020年2月に雑誌に発表されています。
そこで、そのことを伝えるHealioに掲載された記事にまずリンクします。
Healio Feb.10, 2020 "Triplex Vaccine Reduces CMV complications in stem cell transplant recipients