8月13日に、造血幹細胞移植情報サービスのホームページに、2019年7月における骨髄バンクへのドナー登録の状況が公表されたので、まず、2019年7月における新規のドナー登録の状況を示した同ホームページのサイトにリンクします。それから、8月15日には、骨髄バンクの方でも2007年1月から2019年7月までの登録及び移植実施数等の状況を示した表が公表されたので、これにもリンクします。
これを見るとわかるように、2019年7月における新規のドナー登録者の数は4,090人と、前月に引き続いて4千人を超えるたくさんの方に新たにドナー登録をして頂いています。この4,090人という数は、7月の登録者数としては歴代最高の数字です。また、1か月間の登録者数としても、歴代第12位の数字となっています。この点に関し、ツイッター上でのある患者の方のつぶやきとそれを受けたドナー登録に非常な慎重さを求め、提供する気がないならドナー登録を取消すように求める意見がみられたことから心配されたドナー登録の急減はありませんでした。このことに関連して、8月18日午後6時に新潟総合テレビで放送された番組の記録(提供意思がないならドナー解除を…骨髄提供を断られた患者の投稿から見る骨髄バンクの現状と課題【新潟発】)が、骨髄提供の重要性から負担までを含めて正しい理解を広げた上で、しっかり理解した上で協力できる方に登録をしてもらうことの大切さを伝えており、本当にその通りで、非常によい内容の番組を作って報道していると思いました。それから、2019年7月に定年や自己申告等により登録が取り消された数も2,459人と心配していたほどには多くなく、その結果、7月末の段階における有効なドナー登録者総数は1,631人増えて520,480人となり、ついに52万人を突破しました。
これも、ひとえに、日本赤十字社の担当者の方々、骨髄バンクの担当者の方々、登録会を数多く開催して頂いている各地のボランティア団体の説明員の方々、登録会を開催したり、説明員の方の養成をするなどの支援をして頂いている地方自治体の担当者の方々などの努力の賜物であり、患者として本当にありがたいと心から感謝しております。
また、勇気をもってドナー登録をして頂いた皆さん、本当にありがとうございます!!
次に、都道府県別登録者状況(令和元年7月末速報値)及び都道府県別登録者数(2019年7月末現在)に基づき、そこで登録された方の多かった都道府県を順に挙げていくと、第1位が東京都で734人と圧倒的にに多く、以下、第2位が神奈川県で295人、第3位が埼玉県で284人、第4位が大阪府で257人、第5位が千葉県で200人、第6位が福島県で170人、第7位が兵庫県で150人、第8位が滋賀県で142人、第9位が宮城県で134人、第10位が熊本県で109人、第11位が沖縄県と京都府でそれぞれ101人、第13位が青森県・愛知県・福岡県で94人という順で続いています。また、20歳未満の最も若い登録者の方は前月に比べて250人ほど減りましたが、それでも470人(11.5%)の方が登録されており、日本赤十字社や骨髄バンク及びボランティア団体の方々による若年層の方の登録拡大に向けた、大学や専門学校での登録会の開催などの試みが実を結んでいることがわかります(20歳未満の方の登録者が登録者総数に占める割合は1%、20代の方の登録者が登録者総数に占める割合は15%と極めて少ないことにつき、全国協議会ニュース322号2頁 ドナー登録者数、本当は何人?)。
なお、骨髄バンクを通じた造血幹細胞移植の数については、骨髄バンクの骨髄バンク事業の現状に毎月最新の状況が公表されているので、2019年の状況について簡単に述べておくと、2019年7月は119件の骨髄バンクを通じた移植が行われており、2019年全体では7月末までに729件の移植が行われています。そして、骨髄バンクを通じた移植の数は、最近5年間についてみるとほぼ横ばいで推移しています。他方で、さい帯血の移植の方を造血幹細胞移植情報サービスのさい帯血バンク移植症例数の表でみてみると、ほぼ一貫して増加する傾向にあり、2016年に骨髄バンクを通じた移植の数を超える1,330件のさい帯血移植が行われてからは、2017年、2018年と1,300件を超えるさい帯血移植が行われています。2019年も既に795件を超えるさい帯血移植が行われており、このままの水準で行くと、2019年全体で1,300件を超えるさい帯血移植が行われることは確実といえます。