日本赤十字社が開いている造血幹細胞移植情報サービスのホームページで、2019年5月における骨髄バンクの登録状況の速報値が公表されていますので、まず、5月における登録状況を示したサイトにリンクします(なお、その後、同サイトは7月10日に内容が更新され、現在は6月における骨髄バンクの登録状況が示されるようになっているので、以下では骨髄バンクのサイトにある「骨髄バンク事業の現状(2019年5月末現在)」に差し替えます。

 骨髄バンク事業の現状(2019年5月末現在)

 これによると、2019年5月の新規のドナー登録者は4,737人でした。前月よりは600人ほど減りましたが、それでも例年よりは相当多くの方が新規に登録されています。すなわち、1か月間の登録者数が多かった順に挙げていくと、第1位-2019年2月(11,662人)、第2位-2019年3月(7,174人)、第3位-2005年10月(6,875人)、第4位-2005年11月(5,225人)、第5位-2006年10月(4,974人)に次ぐ歴代6位の登録者数を打ち出しています(骨髄バンク事業の現状(2019年4月末現在)骨髄バンク事業の現状(平成24年12月末現在)骨髄バンク事業の現状(平成21年12月末現在)骨髄バンク事業の現状(平成18年12月末現在)参照)。また、5月の登録者としては歴代1位です。このことは、池江選手の白血病公表による骨髄バンクの事業への関心が継続していること、及びそのような関心を維持するために骨髄バンク、多くの自治体の担当者の方、ボランティアの説明員の方々が努力していることを反映しているといえます。また、今回定年や病気などの理由で登録取消となった方は1,700人であり、5月におけるドナー登録者数は3,037人の純増となって、現在の有効登録者総数は515,815人に増えました。このうち、20歳未満の最も若い方の登録者は、MONTHLY JMDP 2019年6月14日号によれば全部で579人であり、今回もかなりの20歳未満の方が登録されています。この5月に勇気をもってドナー登録をして下さった方、本当にどうもありがとうございます! また、登録のための活動をして下さった骨髄バンク、日本赤十字社、ボランティアの説明員の方々にも深甚の感謝を表したいと思います。

 次に、上に挙げた都道府県別登録者状況(令和元年5月末速報値)から、登録者数の多かったところを順に挙げると、第1位は毎回のことですが人口の最も多い東京都であり、815人もの方が東京都で登録されています。第2位は大阪府で364人、第3位が神奈川県で353人であり、いずれも東京都の半分以下の登録者ですが、大阪府と神奈川県はほとんど違わない数で東京都に続いています。そして、第4位は千葉県で245人、第5位は埼玉県で210人、第6位は広島県で175人、第7位は福岡県で172人、第8位は宮城県で165人、第9位は滋賀県で149人、第10位は熊本県で141人、第11位は兵庫県の138人、第12位は愛知県の133人、第13位は京都府と奈良県が同数で130人、第15位が青森県の113人と続いています(以上が100人以上の新規登録者があった都府県です。)。

 なお、広島県の第6位で175人というのは、100人を下回るのが通常であった広島県ではこれまでになかった高い登録者数と順位であり、広島県の躍進ぶりを示しています。また、福岡県では、もともと100人以上の登録者がいるのが普通なのですが、それでも172人というのもこれまでにない多い数字と高い順位になっています。それから、宮城県の165人というのも例年よりも高い数字であり、滋賀県も149人と150人を少しだけ下回りましたが、それでも2月、3月、4月に続いて150人近い登録者数を維持しているところはすごいと思います。いずれも、県当局或いは県内市町村の登録推進への取組みとボランティア説明員の積極的な活動を反映しているのではないかと思います。

 それから、5月において10代から20代の若年層の登録に向けた取組みが行われ、多くの方の登録がなされた事例があるので、これについて触れたいと思います。まず、山口県で山口県赤十字センターが山口県に4月に採用された消防職員を対象にして消防学校で行った登録会の結果が新聞で報道されており、1日で61人もの若い消防士として採用された方の登録がなされた事例として注目されるので、以下にその記事にリンクすることにします。

 山口新聞2019年5月9日「新入職員がドナー登録 骨髄バンク 山口の県消防学校で」

 山口県では、5月に77人の方のドナー登録がなされているのですが、この記事によると、そのうちの61人が山口県消防学校で登録された県に採用された若い消防職員の方であることがわかります。

 また、同じく多くの10代又は20代前半の方の登録が行われたと思われる例として、福島県の郡山健康科学専門学校が福島県赤十字血液センターの献血車2台を配車してもらって行った献血並行型ドナー登録会において、職員の方も含めて65名の方が献血に協力し、40名の方がドナー登録をされたということであり(郡山健康科学専門学校ニュースリリース2019年5月28日 献血活動)、若年層の方に向けた登録の取り組みが奏功した事例として注目されます。

 若い方も含めてこれだけ多くの優しい方に勇気をもってドナー登録をして頂いたことに対し、改めて深くお礼申し上げます。どうもありがとうございます!!