小児急性混合性白血病に関する英語の論文をいくつか調べていたところ、2018年7月19日にBlood Journalに発表された論文で、従来から指摘されていた、例外的な場合を除いて、急性リンパ性白血病に対する治療方法を選択した方が治療成績がよいことを確認した233人の患者集団を対象とした国際共同研究による報告がなされているので、内容は後で少しずつ触れるとして、まず、この論文にリンクすることにします。

 Ondrej Hrusak et al. "International Cooperative Study Identifies Treatment Strategy in Childhood Ambiguous Lineage Leukemia" Blood Journal 132, (3) 264 (2018)

  内容については、きちんと読んで調べてからでないと正確なことはいえないのですが、一応最初の頁にある要約の部分をさらに簡単にまとめて述べると、以下のようになると思います。

 すなわち、本報告は、系統(がん化した芽球が骨髄系かリンパ系かということ)が曖昧な急性白血病(ALAL)(筆者注-日本で急性混合性白血病と呼ばれているものに対応すると思います。)と診断された、チェコ、ドイツ、デンマーク、北欧諸国、イギリス、オーストラリア、アメリカ、ブラジル等の18歳未満の小児の患者233人の症例を後方視的に分析した多国籍の共同研究であり、この研究で得た結論として、5年間の無イベント生存率は、急性リンパ性白血病に対する治療を受けた患者については80±4%と、急性骨髄性白血病の治療を受けた患者の36%±7.2%、両タイプの白血病の治療を組合わせた治療を受けた患者の50%±12%に比較して、優れていたことがわかったと結論づけています。