急性白血病や骨髄異形成症候群等を根治するための治療として造血細胞移植を受けて、元の体にもどるためには、長期間にわたり医療費や交通費等を含む大きな出費が必要です(たとえば、白血病の経験者 「5年飲む薬代だけで900万円」、「再発すると1000万円超」)、そして、白血病や骨髄異形成症候群等の元の病気が治癒し、GVHDや感染症等も克服できたというためには5年を超えるきわめて長い年月を要することから、移植自体は成功しても元通りの形で復職できる可能性は乏しく、職を失うことが少なくないのが実情です(たとえば、逃げ腰弱気な逃病日記~2児母の白血病~「白血病になって一番辛かったこと」西日本新聞2018年4月30日「『何でまた』3度目のがん発症に泣いた。職場に遠慮、仕事辞めるしか…治療と両立の鍵は」読売新聞2016年12月21日「突然の大病、職場復帰するには…老後破産の現実」参照)。そのため、白血病などで造血細胞移植を受ける患者さんは、一般に長期にわたって経済的に困難な状況に立たされることになります。私自身、造血細胞移植自体はうまくいったものの、長期の休業のために復職できるかぎりぎりのところで何とか復職を認められましたし、治療自体はうまくいった患者さんでも収入が激減して元通りの生活をできない中で何とか頑張っているということを見聞きしてきました。そこで、全く十分ではないものの、患者さんの大きな経済的負担を緩和するための様々な助成や支援措置、給付が存在しています。これらの助成や支援措置等にどのようなものがあるのかを整理し、リンクもできるようにした日本造血細胞移植学会のサイトが今年の5月に設けられており、これも役に立つと思うので、今日はこれにリンクします。

 日本造血細胞移植学会-患者さんの情報-13.1 医療費