さい帯血移植は、血縁者にHLAが一致するドナーがいない場合で、骨髄バンクにドナー登録した者にもHLAが一致する55歳未満の健康な者がいない場合や、提供までに150日近くを要する骨髄バンクを通した適合ドナーによる提供が病状から言って間に合わない場合に、血縁者の間で行われるHLA半合致移植(ハプロ移植)と並んで行われている移植の方法であり、その治療成績が向上していることから、最近特に件数が増加しているものです。そこで、今日は、このさい帯血移植の現状について、これを日本で最も多く行っている虎の門病院の血液内科部長である内田直之先生のインタビュー記事がネットにあり、一般向けに分かりやすくかかれているので、まず、これにリンクを張りたいと思います。

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 臍帯血移植による治療方法は?-白血病の場合

 もっとも、血縁者にHLAが一致するドナーがいない場合で、骨髄バンクに登録したドナーからも病状からみて移植に最も適する時にHLAが一致する適合ドナーからの造血幹細胞の提供を受けられない場合には、ハプロ移植ではなく、慢性GVHDが出にくいというメリットがあるさい帯血移植が望ましいのかというと、常にそのようにいえるわけではないようです。この点に関し、非寛解期にある患者に対しては、GVHDの発症率が高いという問題があるものの、ドナー由来のリンパ球が白血病細胞を攻撃する強いGVL効果が期待できるHLA半合致のハプロ移植も有力な治療方法であり、ハプロ移植も兵庫医大などの一部の医療機関で多く行われているように思われます。