鼓楼のライトアップ。この裏からイスラム街が始まり

 秋も素早く過ぎ去って、またまた灰色の日が増えてきた最近の上海。
もうだいぶ経ってしまったけど、今年の国慶節、周りの皆の優雅な響きのリゾート地とは裏腹に、うちは渋~く西安に行ってました。o(^-^)o しかも夫の母と一緒。
 西安といえば始皇帝、始皇帝といえば兵馬俑が有名だけど、特に西洋人にはTerracotta Warriorっていうとかなり「いつかは行ってみたい!」という位置づけみたいですね。勿論それと万里の長城。

  私と夫は西安は2回目、前回は北京オリンピックの時にバンコクから訪れて、観光名所はもちろんだけど、何よりイスラム街のエリアにとても魅せられた記憶がありました。中国なのに人の顔も食べ物も全然違ーう!シルクロードだぁ、と。
 なので今回は6泊のうち半分はわざわざイスラム街の近くに宿をとって、雰囲気を満喫することにしました。(´∀`)

ああラムチョップ以外も羊が食べれる様になっててよかった~。
*羊肉が苦手な人でも、イスラム街は特に大体牛肉もオプションで選べますが、匂いも耐えられない人にはちょっとこのエリアはきついかな..

さて、着いた当日の夜はさっそく老舗の西安飯庄に瓢箪鶏を食べに…

西安飯庄
住所:東大街298号(ここが本店らしいですが、雰囲気は昔風。郊外店の方がきれいだそうです)

ひょうたんの形してるかなぁ…
やわらか~いラブラブと思ったら、ゆでて蒸してから焼いて(揚げて?)あるとか。ついてくるお塩はクミン風味。
クミンも結構中国では使われてて意外なスパイスの1つなのです。

西安に来たらこれは絶対食べることになる、涼皮(リャンピー)。こ このはタレがいけますね。辛さはマイルド、黒酢じゃないさわやかな酸っぱさのお酢の味で、のど越しのいい麺をつるつる。

 これも地元の超定番、肉夹漠(ロウジアモウ)。こちらのはミニチュアです。この後色々食べたけど、こちらのはお肉がしっとりしてて食べやすかったかも。


ミニチュアサイズの
羊肉泡馍(ヤンロウパオモー)。汁が全部吸収されてる...これはまあまあかな。
これを初めて食べた時は、正直「パンを載せる変な麺…」と思ったんですが、今回の旅行でこれは麺というよりは春雨入りのスープにパンを入れて、スープをとにかく味わう為なんだと理解できました。
 なのでスープがおいしくないと駄目な料理。パンがしばらくすると、かなりアルデンテのパスタの様に思えないこともなく…


 新しい地方料理だから目新しさもあっておいしく感じるのかもしれないけど、辛さもマイルドでお酢が効いてて酸っぱいので、油をそこまで感じさせなくて、旅行中に集中して食べるにはいいかも♪



次の朝、起きてお散歩をしていたらメロンを売る人が至る所に。西に来たって感じ!


西新街と北大街の交差点周辺に朝から一杯屋台が出てました。それにしても屋台で売ってるものが上海と全然違いますね~。これは新じゃがを油でゆっくり揚げたものを⇑


葱や花椒などと炒めたもの。夫と義母、これにはまる。
そして朝から既に歩くのを嫌がる子供たちを黙らせるために買ったのは...

なかなか立派なバナナフライ。お味はまあまあ、けど子供たちは食べてたのでシメシメ。(^ε^)♪


 あれ、出来上がりの写真を撮り忘れたけど、好みでジャムらしきものとピーナッツの粉を入れて蒸しあげたもち米のお菓子、鏡糕(ジンガオ)にもチャレンジ。指定しなかったらバラのジャムだけで作ってくれました。バラのジャムっていうのもトルコっぽいというか中央アジアっぽい。
 お味の方は個人的にはまあまあ...かな。この後も「モチモチして甘さはかなり薄い」系のお菓子に沢山出会います。
 似たような系統の食感のお菓子で、遠目に見ると巨大カステラを外側から切って串に刺してくれる桂花糕(グアホアガオ)というお菓子もあるんですが、試してみるとやっぱり味が薄い…けど後で地元の人が買ってるのを見たら、切ってもらった後にお皿の上のシロップに自分でかなりしっかりと浸してらっしゃいました。なる程。

 久しぶりのイスラム街は国慶節ということもあってものすごい賑わい。キラキラ(賑やかすぎて写真撮り忘れ)
 
前回なんて、道端で数人のイスラム系お兄さんたちがしぶい屋台を構えてただけだったのに、中国の7年ってすごい! お店もほぼ全店ギラギラ改装して、店頭で何かを派手に売り出してないお店が少ないくらい。音楽とお肉を焼く匂いと呼び込みでお祭りみたいでした。
 けどもうちょっと観光地っぽくないイスラム街が見たい、と鼓楼から一見イスラム街が終わったかと思われる社会北路を左折すると、ちょっとレトロなこんな風景が。⇓



 ここの道沿いに、頑固おじさんの羊肉串屋さんを夫が発見。手前の観光客エリアでは話題のネタにか羊肉が太い枝に刺さったのを焼き上げてたんですが、夫曰く「それってあんまりハラルっぽくないよね」。しかも「多分あれリサイクルしてるでしょ」Σ(゚д゚;)

 このお店は伝統的な感じでステンレス串でやってるし、というので買ってみることに。細いとはいえ20本で20元(380円程度)とは安ーい。子供用にスパイスなしで塩だけで、と言っても「それじゃあうちの味がわかんないでしょ」と言う奥さん。結局合計40本買ったけど、子供たちもペロリ、でした。お店はきれいとは言い難いけど、地元の人の定番の頑固おやじのお店、いいですねー。
 
 さらに数メートル歩くと...


 中々まな板のきれいさが光ってる葱油餅のおばさんのお店を発見。
ついつい葱一種類でオーダーしちゃったけど、お隣のお客さんのお兄さんはお肉と葱を半々のオーダー。なるほど。

後ろで旦那さんが油で揚げてざっくり。おいしそう~ラブラブ こちらのおじさん、私のたどたどしい中国語を聞いて「日本からの留学生か」。そんな言葉がでるのがさすが西安って感じ。


 さらに先にはイスラム街の地元の人の御用達のパン屋さんが増えてきます。観光客用には冷めて固ーいのを積み上げて売ってるけど、地元民はやっぱり熱々を待って買うんですね。そしてお店の人の顔が濃い!

 さてこれは別の日。 
ホテルから朝外にでて竹笆路(鼓楼から西大街を挟んで南側の通り、イスラム街の南側)を歩いていたら、屋台に並ぶ人たちが⇑

全部これって西安名物!と思わず並ぶと、出来上がってるのがあったのに「熱いのが揚がるから3分まって」とのこだわりのお言葉。o(^▽^)o

⇑生地を伸ばしてラードかと思ったけどイスラムだから…バター?を塗ってクルクル巻いて、それを上からつぶす要領でパイみたいな生地を作って揚げたら...



横で同時に揚げた卵を挟んで卵パイ!上海だと屋台で食べる事もないので、旅行中の盛り上がり効果で大人も食べてるんですが、子供も感化されたのか珍しく「おいしそう、食べたーい」と長男。
 大人は牛肉スパイス入りをオーダー。こちらもおいしい。
道の反対側では…↓


中国版のクレープを焼くお姉さん。こちらも子供うけよし。


⇑その奥では熱々やわらかい豆腐脳。(未だにドキッとする名前だ...(^_^;))上海のに近いけどザーサイと干しエビはなし。
 その他、屋台数はそんなにないけど、他にも卵揚げパンやさん(?)やちょっとだけ餡が入った揚げゴマ団子みたいなパン等、西安の朝ごはんが一通り揃ってたみたいです。鼓楼の南側のZaraが入ったビルの東側の通りをちょっとだけ南下した所でした。 
ちなみにうちは心配してたお腹、大丈夫でしたよ~。
 


さて、とある日は
陝西博物館に行った後のランチにと、歩いていける距離にあるモールの中にある
『长安大牌档』というレストランへ。名前の通りテーマは長安時代ですね。すごい人気。

长安大牌档

住所:
小寨赛格国际购物中心6楼西北角


メニューには西安飯庄と同じ感じの西安料理が並んでます。功夫茶や歌のショーが昼からあって、面白い。お味はおいしかったり普通だったり。どちらかというと雰囲気を楽しみに行く感じかな。

⇑これが漢字が57画と難しすぎて中国語でもピンイン表記が多いBiangbiang 麺。
 直前に生地をキューっと伸ばしてさっと茹でて、辛味のきいた葱油(かな)でさっと和えたのを食べるんですが、多分人生で一番幅広の麺...歯ごたえもよくっておいしいけど、これを中国箸で食べるのは中々技術がいります。

 朝屋台で盛り上がってた鼓楼の南側に鍋貼(グオティエ)の有名店の『海荣锅贴』があったので、行ってみました。焼いてあって外見が日本の餃子に近いのでついつい「ぎょうざ」と呼びそうになるけど、日本語のぎょうざの「餃子」(ジャオズ)は中国では一般的には水餃子が多くて、焼かれてる事は少ないかも。
 余談だけど、アメリカで餃子のことをポットスティッカーって呼ぶのは、もともとはこの「鍋貼」の直訳だとか。

海荣锅贴
住所:竹笆市街北口67号(西大街口)


 子供たちは結構食べてたけれど、私が個人的に気に入ったのは…⇓
右の八宝菠菜⇑。不思議だけど知った風味が…と思ったら、なんと杏仁と一緒に炒めてありました。面白~い。白い実が杏仁豆腐の風味づけに使う杏仁です。私、昔は杏仁餅がアーモンドクッキーだから、杏仁豆腐はアーモンドミルクでできてるんだって思ってました。
 そして八宝粥。薄くて何てことない(まあ本来薄い味のものだけど...)甘いお粥だけど、これまた上海とは全然違う味だ…と思ったら、なんとローズウォーターが入ってました。またまたシルクロードって感じ!

さて、この鍋貼やさんのすぐそばに、有名らしい肉夹馍やさんがありました。

樊记腊汁肉夹馍

住所:竹笆市街53号(近阿房宫电影院)







 イーストが入ってないと思われる乾いた西安独特のパンに、アメリカでいうとプルドポークみたいな、長時間煮てほぐした豚肉(お肉は色々)を挟むこの肉夹馍。別の日にここで食べたときは、「昔ながら」のと「質が更に良い」みたいなネーミングのお肉の2種類を買ってみたら、「昔ながら」の肉の方が脂肪分が多いせいか、乾いたパンをしっとりとさせて食べやすい印象でした。もちろんお好みで。イスラム街にもこれでもかという位売ってますしね。


さて、最後の晩だったのでこの日はおばあちゃんに子供たちを預けて夜のイスラム街散策に。
国慶節が終わった後だったので空いてるかと思いきや、全然賑わってました。



炒めるヨーグルトって...と近づいてみると…


なるほど、中国版コールドストーン…の様な、冷たい鉄板の上にヨーグルトを流して固めて好きなフルーツやナッツを足して混ぜていくフローズンヨーグルトやさんでした。
 もう食べれないーなんてさっきまで言ってたのに二人分オーダー。(^o^;)

スプーンですくうというよりは拾う感じの食感ですね。けどこれはこれでおいしい。ドキドキ

⇑あー、食べられなかった粉蒸肉。確かスペアリブに糯米をまぶして蒸したもの。

 暗闇にレトロなネオンが風情のある、イスラム街の裏道をぐるりと回ってパークソンデパートの所から大通りにでると、ここには一杯また別の屋台が立ち並んでました。
 見たことない食べ物が一杯目

 さて、最後の日、出発までに最後に麺の朝ごはんを...と家族全員でまたイスラム街に戻って、この日は回坊老碗面で、ビアンビアン麺の食べ納め。
 
回坊老碗面
住所:西羊市街16号


⇑ゴージャス版

⇑普通版

 今までのビアンビアン麺が、葱ラー油で和えたシンプルな感じだったので、この麺のボリュームは衝撃的汗しかも、入ってる野菜がセロリにジャガイモにカリフラワーに、とかなり西洋的にすら思える感じなのです。(きくらげも入ってますけど)
 
 その他、意外とおいしくてびっくりした柿餅や、老舗で食べたら羊スープがおいしかった泡馍など、心ゆくまで食べさせてもらいました、今回の西安。
中国って本当に食べ物が奥が深くて楽しい国です。グッド!