「5分でモッツァレラチーズが家でできる!」なんていう話に踊らされて(?)先日のテーマは家でのチーズ作り。きっかけは、ゼラチンを探しにローカルスーパーに行った際、並んでいるゼラチンの横で発見したのがレンネット!
 レンネットってチーズを作る第一段階で牛乳を凝固させるあれ?と思わず買い求め、家に帰って作り方をよくみてみると、あれれ、「カスタードを作るのに主に使われます」との事。
 カスタードってカスタードクリームの事ではなくて、イギリス系文化圏の人の昔の定番デザートのゆるゆるの半分スープの様なものの事ですね。初めて食べた時はびっくりしました。甘いスープ??

 最近はカスタードパウダーを牛乳と混ぜ合わせて電子レンジで熱するだけのが本場では一般化して、きちんと作ったカスタードとはかけ離れたものになりつつあるようです。
 で、このJunket Rennetを使って凝固させたカスタードは見た事がなかったんですが、実はヨーロッパ中世までさかのぼるデザートだったそう。正統派カスタードだったんですね。

 けど実際にモッツァレラを家で作るために作り方を読んでいると、レシピに「Junket RennetではなくRennetを使用してください」との指定が多く、何が違うかよくわからないけど違うのね~、と、Whole Foodsならきちんとしたレンネットを売ってるだろう、と先日行った際に買い求めておきました。
 
 

 ←写真左の『Junket Rennet』をKrogerで発見。
 写真右の『Vegetable Rennet』はWhole Foodsで買い求めました。




 レンネットは例の「むか~し昔、羊の胃袋を乾かした水筒に羊乳を入れて旅行に出たら、固まっていてびっくり」というチーズ起源説にも出てくるように、もともとは羊か牛の赤ちゃんの胃袋に含まれる、母乳を消化する為の酵素の事。
 さらっと調べてみてJunket RennetとRennetの違いは、Junketの方がペプシンの割合が高く、Rennetの方がキモシン(Chymosin)の割合が高い事だそう。ペプシンは消化酵素で聞き覚えがあるけど、キモシンってあまり聞いたことがなかったかも…f^_^; アメリカはベジタリアンの人がチーズを食べる事を考慮して、Whole Foodsでは植物由来のレンネットを使ったチーズもある模様。


 さて、作り方としては、アメリカのKitchnというサイトを参考にしたんですが…

①1カップの水に小さじ1杯半のクエン酸を入れて溶かす。
*クエン酸はジャム作りにも使われるのでMeijerでも売っています
②1/4カップの水に小さじ1/4のレンネットを混ぜる。
*このWhole Foodsのレンネットは強いので指定の1/3の量を使用との事。だから小さじ1/12を使いました。
大きな鍋に1ガロン(3.8リットル)の牛乳(低温殺菌のみ)に①を混ぜて、華氏90度(摂氏32℃)まで温めて火を止めて、②を入れて30秒程静かに混ぜる。
④蓋をして5~30分、お豆腐の様な状態になるまで動かさないでおく。
⑤長いナイフで底まで切り込みを入れる。

*いつも通り1カップは250ccでの計算です

 

 おお、固まった!
 …とお豆腐の様に固まるまではうまく行ったんですが…









 この状態からお鍋または電子レンジで、華氏135度(摂氏57度)になるまで熱して、混ぜ始めると、カード(Curd、凝乳)とホエー(Whey、 乳清)にはっきり分かれ始めます。


 










 乳清を取り除きながら熱しつつ混ぜる(練る?)事数回、本当は食用のビニール手袋の中に更に手袋重ねて伸ばすのが一番いいんですが、ないのでお箸と木べらで混ぜたのが悪かったのか、温度が低すぎたのか…
 ゴムの様に伸びるモッツァレラとは程遠いまとまりかたの固~いモッツァレラになってしまいました。(iДi)
 

高温殺菌(UHT)の牛乳では失敗する、と書いてあったので、地元Guernseyの「pasteurized」を使用したんですけどね~




  気になったのか、夫がその後Calderのノンホモ低温殺菌を買ってきて自分でも一度試したんですが、やっぱりイマイチののびでした。( p_q)
 
  3回試して失敗ってさすがに中々ないのでショック…
どこかでチーズ教室やってないかな、と探す事にしました。
さて、この固ーいチーズ、冷蔵庫にとりあえず保存したんですが、その後子供用スープに切って入れてみたところ、あれ、インドカレーに入っているパニール(Paneer、パニーア?)チーズに似てるかも…という事で、ほうれん草もある事だし、Palak Paneer(日本でも定番のほうれん草とチーズのカレー)にして消費しようかな…。(・・。)ゞ

 やっぱりチーズ作りは修行が必要!と思った一件でした…(*v.v)。
実りの多い気分の発酵バター作り に較べて、沢山できるわけでもないし…
コスコのバッファローモッツァレラがすごくお得に思えてしまいました。