NDロードスターの整備書は表示できるのに、配線図(eWD)が表示できません。配線図はSVG(Scalable Vector Graphics)というベクターファイル(ベクトル情報ファイル)で作成されていますが、それぞれファイル単体を開くことができても、Web画面のリンクから読み込むことができません。どうやら、SVGファイルは、Webサーバーから読み込めても、ローカルファイルは開かない設定の模様です。Safari, Firefox, MS Edge, Google Crome すべてダメでした。

 

ロードスター整備書(サービス・マニュアル)

 

そこで、MacのApache(Webサーバーの名称です)を起動し、Mac内にWebサーバーを用意することにしました。以下、ターミナルからのコマンド作業になります。

 

Apacheのバージョンによってユーザーのconfファイルの記述が変わるので、最初にバージョンを確認します。ターミナルを起動すると「(ユーザー名)$」と表示されるので、「$」の後にコマンドを入力します。

$ /usr/sbin/httpd -version

このように(↑)入力すると、以下のようにバージョンが表示されます。

Server version: Apache/2.4.54 (Unix)
Server built:   Sep 30 2022 02:51:01

次に3つのconfファイルを編集しますが、管理者権限が必要になるため普通のエディタでは編集できません。非常に使いづらくて嫌いですが、どんなUNIXにも標準搭載される「viエディタ」を管理者権限で使います。なお、viエディタの詳しい使い方は、「vi 使い方」でググってください。

$ sudo vi /etc/apache2/httpd.conf

これで、コマンド「vi」を管理者権限で実行(sudo)し、/etc/apache2/ のディレクトリに格納されている「httpd.conf」ファイルを開くことになります。なお、「sudo」は Super User Do のことです。スドーと読んじゃいけません。

viエディタは、コマンドモードと編集モードを切り替えて操作します。起動した直後はコマンドモードなので、矢印キーでファイルを閲覧できます。184行目の「#LoadModule userdir_module libexec/apache2/mod_userdir.so」、521行目の「#Include /private/etc/apache2/extra/httpd-userdir.conf」の「#」を消します。「i」を押して挿入モードにして「#」を消し、「esc」キーを押してコマンドモードに戻し、「:wq」と入力すると上書き保存+エディタ終了になります。

 

次に、「httpd-userdir.conf」を編集します。

$ sudo vi /etc/apache2/extra/httpd-userdir.conf

10行目に「UserDir enabled」を挿入し、16行目の「#Include /private/etc/apache2/users/*.conf」から「#」を削除します。

# Settings for user home directories
#
# Required module: mod_authz_core, mod_authz_host, mod_userdir

#
# UserDir: The name of the directory that is appended onto a user's home
# directory if a ~user request is received.  Note that you must also set
# the default access control for these directories, as in the example below.
#
UserDir enabled
UserDir Sites

#
# Control access to UserDir directories.  The following is an example
# for a site where these directories are restricted to read-only.
#
Include /private/etc/apache2/users/*.conf
<IfModule bonjour_module>
       RegisterUserSite customized-users
</IfModule>

最後に、自分のconfファイル「(ユーザー名).conf」を編集します。

$ sudo vi /etc/apache2/users/(ユーザー名).conf

このファイルの書き方が、Apacheのバージョンによって異なります。特にアクセス権限の記述に違いがあり、間違えると「Forbidden 403」と表示されてアクセス拒否されます。

 

Apache 2.2

<Directory "/Users/(ユーザー名)/Sites/">
   Options Indexes MultiViews FollowSymLinks
   AllowOverride All Order
   allow,deny Allow from all
 </Directory>

Apache 2.4

<Directory "/Users/(ユーザー名)/Sites/">
    AllowOverride All
    Options Indexes MultiViews FollowSymLinks
    Require all granted
 </Directory>

以上の作業で、MacでApacheを使う準備ができました。ブラウザを起動し、アドレス欄に「http://localhost/」と入力します。

 

「正常に接続できませんでした。」と表示される場合は、Apacheが動いていないので、以下のコマンドでApacheを起動します。

$ sudo apachectl start

「It Works!」と表示される場合は既にApacheが動いているので、編集した設定ファイルを読み込ませるため、Apacheの停止と再起動をします。

$ sudo apachectl stop
$ sudo apachectl restart

最後に、あなたのWebサイト用フォルダ(「サイト」又は「Sites」)へ整備書ディスクの「data」フォルダ内に格納されているデータをコピーします。コピーが終了したら「http://localhost/~(ユーザー名)/」を開きます。なお、チルダ「~」は、シフト+冪乗「^」で入力します。

 

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電気配線図(eWD)

マツダの整備書(サービス・マニュアル)の配線図

 

「サービス資料」から「電気配線図(eWD)」を開き、配線図が表示されることを確認します。