Vツインマグナちゃんには、安価なニッケルプラグで十分。安く上げる代わりにマメ(5,000km毎)に交換します。

 

NGK CR8EH-9

 

適合商品は、NGK「CR8EH-9」又はDENSO「U24FER9」。古臭い作りのVツインマグナちゃんに、なぜレジスターが必要?と思いましたが、サービスマニュアルを見て納得。CDI点火ではなく、デジタル制御のスパークユニットが使われています。少々お高いけれど、レジスター付きのプラグを使いましょう。

 

車載交付のプラグソケットとディープソケット

 

交換には、車載工具のプラグソケット(左)又はディープソケット(右:16mm + エクステンション)を使います。

なお、取り付けには必ずトルクレンチを使い、正しい締め付けトルク(NGK:10〜12Nm, DENSO:10〜15Nm)で取り付けましょう。車載工具のプラグソケットを使う場合は、10mmソケットを被せるとトルクレンチを使えます。

 

○後バンク

こちらは、さほど苦労しません。フレームとの隙間もかろうじてあるので、プラグコードを引き抜くのも苦労しないし、サイドカバーを外せば十分レンチを回すことができます。口笛

 

後ろバンクのスパークプラグ取り付け

 

○前バンク

こちらは、横の隙間からトルクレンチを使うことは無理。プラグコードを引き抜くことさえ困難な狭さに加え、ラジエーターのファンカバーが邪魔でトルクレンチが入らない。車載工具のプラグソケットと小さめの10mmスパナ(又はメガネ)レンチを使えば取り外しと取り付けができますが、トルクレンチが使えないのでラジエーターをズラすことにしました。

なお、ネットでユニバーサルジョイントを使っている写真を見かけることがありますが、スパークブラグの取り付けにユニバーサルジョイントは止めましょう。ユニバーサルジョイントは、回転角が速くなったり遅くなったりします。つまり、トルクが変化するので規定トルクで締める事ができません。2つのユニバーサルジョイントを90度位相で組めばこの問題を解決できますが、ジョイントの摩擦を考慮しないとトルクを正しく設定できません。

 

ラジエーターマウントボルト上側

 

ラジエーターマウントボルト下側

 

ラジエーター上側のマウントボルト(上の写真:8mm)と下側のマウントボルト(下の写真、小さめの丸:8mm)を外し、ラジエーターを車体左側にずらし、上側にあるフレームのスタッドからラジエーターを抜くと自由になります。さらに、ラジエーター下側を止めているステイは、ホーンを止めているボルト(下の写真、大きめの丸:12mm)を外すことでフレームから取り外すことができます。

 

前バンクのスパークブラグ取り付け

 

ラジエーターのフィンを傷つけないように気をつけながら上側に持ち上げ、エンジン前側からスパークプラグの取り外し・取り付けをします。
 

交換したスパークプラグ

 

交換したプラグはカーボンで真っ黒ですが、中心端子も外側端子もススまみれではなく、欠けた部分もなし。前後バンクで焼け具合も同じだから特に問題はなさそうです。

 

しかし、たかがプラグ交換のためにラジエーターを外さなきゃいけないなんて・・・。ホンダが、VTシリーズを捨ててしまった理由がなんとなく分かります。ショボーン

---<2020.2.11記載ここまで>---------------------
 
---<2021.4.25追記ここから>---------------------

スパークプラグを買いに行ったところ、NGKのMotoDXプラグが特別割引で売られていました。値引きに弱い体質なので、脊髄反射で購入。耐久性が2倍ですから(イリジウムプラグIXシリーズは、一般プラグと耐久性が同じ。)。型番は「CR8EHDX-9S」、ストックNo.93398。

 

NGK MotoDXプラグ

 

一般プラグとMotoDXの違い

 

同じNGK社製ニッケルプラグと比べると、中心電極も外側電極も形状が異なります。

 
交換後30kmほど走りましたが、アイドリングは電子制御燃料噴射のように安定するけれど、特に体感できるパワーアップはなし。本当にパワーアップした場合は、「おっ、調子がいい!」と感じるものです。残念ながら、プラグ交換ではパワーアップしたとしても誤差程度です。
そして、NGK社のMotoDXプラグのページが酷い。30kmから80km/hまでの加速が0.2秒短縮とありますが、そのグラフの描き方が謎。250ccの2気筒DOHCバイクとのことなので、加速に4秒前後かかると思われます。つまり、効果は5%程度。でも、グラフは60%ぐらい効果があるような描き方になっています。燃費の棒グラフはもっと酷く、2.3%向上と書きながら、燃料消費量の棒グラフは半分以下に。
Vツインマグナちゃんの場合、プラセボ程度の体感しかありません。キャブレターは空気の流量と負圧が同じなら吹き出すガソリンの量も同じなので、アイドリングの燃費も変わらないでしょう。変わるとしたら、今時の電子制御燃料噴射の賢いバイクに限られると思います。
 

要は、一般プラグとMoto DXプラグを比較した場合、耐久性2倍、でも値段は3倍と考えれば良いと思います。自分で交換するなら費用対効果はないけれど、お店で交換してもらうなら工賃を削減できるので安上がりかもしれない。また、ネット通販で価格差が2倍未満であればお得。そんな考え方で選べば良いと思います。

---<2021.4.25追記ここまで>---------------------