僕の実家があった田舎は、大晦日の夜になると早々に人々が神社に参り、そのままお寺へ向かって除夜の鐘をたたく。

何もない静かな田舎に、除夜の鐘の音だけが響く小さな村だった。

でも、世間から知られていない、神主すらいるのか分からないその社は、聞くところによると由緒ある神社であったと言う。

その地域に流れる川は、五十鈴川と宮川。

そう、伊勢を流れる川と同じ名前。

国土地理院の地図には違う名称で掲載されているが、地元民は誰もがそう呼んでいる。
もはや神話の時代の話だから記録も何もないが、お伊勢様の候補地だったらしい。

 

今は、新年を迎えるとともに汽笛が鳴り響く街にいる。

気付けば、田舎で過ごした年月より、こっちの暮らしの方がはるかに長い。

汽笛に混じって除夜の鐘が聞こえてくるこの土地が好き。

子供達も、汽笛や霧笛が聞こえると新年を迎えた気分になるそうな。

紅白もゆく年くる年もどうでもいいってさ。

・・・分かる。(*´Д`*)

 

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お伊勢ができたのは、崇神天皇から垂仁天皇の時代と言う。

その垂仁天皇の孫にあたる日本武尊は、横須賀で軍を編成して房総へ渡ったと言う。

たぶん、僕の田舎だった場所やここも、当時から人々が暮らしていたのだろう。

日本に文字が伝わったのが、もう800年ぐらい早かったら良かったのに。(´;ω;`)