和製英語は意味不明だから、ネタに使えて便利。
でも英単語の誤用・誤訳は、痛々しいとしか言いようがない。
その筆頭頭が「マンション」じゃなかろうか。
語源はフランス語で、大豪邸を意味するのが mansion。
例えるなら、首相公邸とか葉山御用邸とか旧財閥系クラブとか。
そりゃ下手な戸建より広くて豪華なコンドミニアムもあるけれど、大豪邸なんて豪語できるの?
数フロア買い取って「衆参議長公邸と同規模ですが何か?」と言われたら、素直に謝罪しますが。
次いで痛々しいカタカナ用語が「セレブ」と思う。
「有名人」という意味の単語が "celebrity"。
例えば、8年ほど前にメキシコ・シティ空港に居ついた日本人ホームレスもセレブリティ。
だって当時とても話題になったから。
ホームレスでもセレブになれるんですよ。
日頃、そんなことを考えている俺だけれど、カタカナ用語が全部ダメなんて思っていない。
なぜなら、新たな言葉を作り出すのはとても難しいから。
明治政府は、よく海外の言葉を新たな日本語として創り出したものだと思う。
Constitusion を憲法とか首をかしげる例(注)もあるけれど、よく推敲して和訳したものだと思っている。
※注
十七条憲法は単なる宮中作法式典であって、法律と呼べる代物ではないから。
個人的には「律令」と訳してくれた方が良かったと思っている。
和訳が難しい例を挙げるなら、自動車の前照灯(ライト)がいいかな?
戦中・戦前生まれの世代は、ハイビーム(ライト上向き)のことを「正照」(せいしゃ)と言う。
ロービーム(ライト下向き)は、「徐光」(じょこう)。
確かに意味的には、それがピッタリ。
自動車の前照灯は、ハイビームが基本。
ロービームは、対向車の防眩のために照射範囲を狭くする。
正照と徐光が意味的には合ってるが、同音異義があるから紛らわしい。
だから廃れたか、使わないようにしたのか。
そんな訳で、海外の単語を日本語に置き換えるよりカタカナ用語にする方が簡単なことは理解している。
でも、外国語の方がカッコイイと思っている人達は痛い。
例えば、せっかく「広帯域」と言う和訳があるのに「ブロードバンド」と言いたがるとか。
そう言う輩に限って、語学力が低くくて救いようのない発音。
格好悪いったらありゃしない。
そんな見苦しい劣等感は、他の昇華方法を見つけて欲しいものだ。
他言語への理解が低いから、日本語の良さが理解できないんだよ。