鉄道にも絶滅危惧種がある。
それは、夜行列車である。
ほんの20年位前までは、夜行列車が無くなるなんて思いもしなかった。確かに、夜行列車は利用者が減少している傾向は見られたが、それでも根強い支持者がいた。地方の小駅と東京を直結する寝台特急は、お年寄りや、乗換えを好まない人にとって、とても便利な足であった。JRも、夜行列車の復権に力を入れていた。北斗星やトワイライトエクスプレスの登場や、個室化の推進などである。
しかし、全てが不発に終わった。そう言ってしまうと言い過ぎかもしれないが、JRも復権の努力をしなくなったし、次々に廃止されてしまうので、根強い支持者も愛想を尽かしてしまった。すべてが負の方向に、ネガティブな方向に向かってしまった。非常に残念な事である。
もう、寝台列車の復活は無いのだろうか?もう、夜行列車のニーズは無いのだろうか?
いや、そんな事は無い。なぜなら、今でも夜行バスは日本の各地に運行されている。かつての座席夜行列車に取って代わって、夜行バスが全盛を誇っている。夜行バスは、決して快適な広い空間ではない。むしろ、苦行に近い空間である。しかし、運賃が圧倒的に安い。かつての、学生の周遊券ユーザが夜行バスにシフトしたかのようだ。それを示すかのように、この3月で周遊切符が廃止された。利用者が非常に少ないのだそうだ。
安全や快適や広さを売りにすれば、夜行列車は夜行バスより格段に有利である。しかし、JRはそれを売ろうとはせずに、もっと儲かる新幹線を推進しようとする。夜行列車で小銭を稼ぐより、新幹線でまとまった稼ぎを上げた方がよいと思っているのだろう。
でも、おごれる者は久しからずと言う。JRは今こそ、真摯に反省してほしい。そして、客がもっと旅を楽しむ為の手段を考えて欲しい。新幹線に詰め込んで、お金だけ取る方針を転換して欲しい。
今でも、良き理解者である鉄道ファンに、そっぽを向かれる前に、気付いて欲しいと思う。
JR九州が、全く新しいコンセプトの寝台列車、「ななつ星」を来年登場させる。
夜行列車の復権を期待したい。
寝台特急「はくつる」 1987年8月 盛岡駅にて撮影
急行「まりも」 1987年8月 釧路駅にて撮影

