橋爪大三郎さんの「はじめての構造主義」を読みました。

構造主義はフランスで実存主義の後に主流となった思想であり、現在の世界中の物の考え方の多くは構造主義の影響を受けていると考えて問題ないと思います。

構造主義とはざっくり言うと、実存主義が物事の歴史的変遷に対し、個人が介入していくことで主体が生起するという「歴史性」と「主体性」による実存こそが物事の本質を作り上げていくという考えであった一方、構造主義はそういった「歴史性」や「主体性」を排除しても物事に共通の構造(共時態)が存在するはずであり、その構造こそが本質でしょと言う考え方です。(間違ってたらすみません笑)

本書は基本的に、文化人類学に構造主義を適用したレヴィ=ストロースの思想を中心に展開されています。

で、結局、構造主義の一番難しいところは「構造」ってそもそも何やねん?ってとこで僕もよく分かってなかったのですが、本書では「構造」を代数学の置換群を哲学分野に応用したものであると結論付けており、やっと長年の謎が少し解けたって感じです。
(数学科出身の方は何となくスッとくると思います。僕はイデアルって何やねん!!と授業で発狂したくらいよく分かっていませんが笑)

そもそもフランス哲学の研究者はバリバリ数学できる人間が多く、ストロースもブルバキ派から影響を受けたらしいです。

物の見方や考え方を広げてくれる良書だと思います。おススメです!