以下、私がこれまで読んできた約一兆冊の文学作品の中からおすすめの5作を挙げさせて頂きます。個人的には満を持してって感じです笑
① 古都 川端康成
この作品は文字どおり、京都を舞台にした川端後期のものなんですが、作品自体に特に中身があるわけではないのに「一種の酔いのような空気感」が漂っているんですよね。
この空気感を文章で表現することは本当に難しいと思いますし、ある意味、文学の極致だと思いますね。さすが、名人芸だと思います。
川端自身もこの作品を書いている頃、睡眠薬を大量に飲んでフラフラだったらしく、「俺が書いたんじゃない、睡眠薬が書かせた作品だ」的なことを言っていたらしいです。
個人的にとにかくこの作品がNo.1です。
② ムーンパレス Paul Auster
この作品は一言で言えば、文学として完成度高いっすよね。物語性、思想が実にバランスよく備わっていると思います。
とにかく主人公が周りの人間とか運命に翻弄されながらも、あくまで冷めた視線で「生きる」ということに対し葛藤する姿が共感を呼びますね。
実にアメリカ文学らしい名作です。
③ ティファニーで朝食を Truman Capote
ヘプバーンの映画の原作ですが、これも爽やかな喪失感がいいですよね。
無邪気で自由なヒロインの刹那性と主人公が味わうちょっぴりほろ苦くて爽やかな喪失感が見事に「人生とは何か」を表現していますよね。
で、また一見奔放なヒロインが、節々に胸を打つ人生の真理みたいな言葉を発するんですよね。
こんな女性に出会いたいなと思ってしまいます。
素敵な作品です。
④ 箱男 安部公房
個人的に日本の作家の中で単純に真似できないというか、不世出の存在なのは安部公房だと思います。まあ、早死にしなければ確実にノーベル文学賞とっていたと言われてますしね。
やはり実存主義、すなわち「実存は本質に先立つ」を思想的バックボーンとして、前衛的かつファンタジックな設定に加えて東大医学部卒ならではの知性溢れるメタファーも添えられて、「もう真似できねえ、公房ハンパねえ」としか言えないっす。
そんな安部公房の作品の中でも、箱男は設定、ストーリー構成、表現全てが前衛的かつ実験的というか、僕みたいな凡人には訳わからんって感じでおすすめです。
最初に読むなら砂の女の方がベターですかね。。。
⑤ ある阿呆の一生 芥川龍之介
芥川は短編のみで代表作がないと揶揄されますが、ふざけんなって話で、全部名作だから全部読めってことです。
やはり、日本人作家で文章の論理性、表現の無駄のなさ含め、完成度の一番高い作品書いたのは我らが芥川龍之介ですよね。
ほぼ全作読みました、あざーす。
その中でもある阿呆の一生は後期の作品で、死を予感させながらも、芥川一流の生へのアフォリズムが溢れていて一番好きですね。
僕はこの作品を大学の入学式の日に読んでました。根暗な男ですよね笑
✳︎番外編 仮面の告白 三島由紀夫
文学というより自叙伝に近いですが、好きですね。三島さんの文学自体は正直表現とか不器用だし無駄に装飾的だなと思うけど、ひたすらに生きるのに必死で色々真面目に考えちゃうところが好きです。
以上です。どれも僕が薦めるまでもない名作なのでお時間あれば密林でポチってみて損はないかと!!
✳︎追記 これも最後に追加で! 完成度高し!
月と六ペンス Somerset Maugham






