ドキドキ
ドキドキ
君へのこの気持ちは
そう、きっと……………________
side D
ジョンインに手を引かれて、僕らはいっぱいアトラクションを乗り回った。
ジェットコースターやお化け屋敷に行ったり、カートレースもした。
楽しくて楽しくて、ジョンインとまた来たいなと心の片隅で思った。
時間はあっという間に過ぎていき、気づいたらお昼を食べ逃していた。
お腹を満たすために園内にあったバーガー店で遅めのお昼をとることにした。
「あー楽しかった!思ったより空いてていっぱい乗れたね!」
「ギョンスって意外と絶叫系もお化け屋敷も平気なんだな」
「意外とってなんだよ~笑」
僕は絶叫系は大好きで、そんなに"お化け屋敷"は怖くはない。
そう"お化け屋敷"は………。
「きゃーとか言ってしがみついて来るかと思ってた」
「僕ってそんなに女々しく見える?」
「ちっちゃいから守ってあげたくなる」
うわ!////
なんでそーいうこと簡単に言えちゃうかな
しかも
「ちっちゃいって?!」
そりゃ、ジョンインよりはちっちゃいけど!
そこまで小さいわけじゃない!
「ははっ」
悪戯っ子みたいに笑うジョンインにむすっと拗ねて見せて、自分のトレーの上のポテトをジョンインの口に突っ込む。
ぱくっとそのまま食べるジョンインの口にどんどんポテトを入れていくと、ジョンインは「もう無理!」と顔を背けてとうとうギブアップした。
僕はふふんとしてやったり顔で必死に口いっぱいのポテトを飲み込むジョンインを見て笑った。
「あれ?ギョンス?!」
後ろから名前を呼ばれて振り替えると、事務所仲間のチャニョルが居た。
「チャニョル!え、なんでここに居るの?デート?」
「元中のダチと遊びに来てんだ。ギョンス、そっちの子は?」
「あ、同じ事務所の友だちのジョンイン。ジョンイン、こっちはチャニョルで僕たちと同じ事務所仲間だよ」
ジョンインにもチャニョルを紹介すると、ジョンインはさっきまでの笑顔は消えてて、真顔でチャニョルを見ていた。
…………?
「ああ!ジョンインってあのSHINeeのテミンくんの友だちの!?よろしく!ジョンイン!」
「……はじめまして」
チャニョルはいつものスマイルでジョンインに手を差し伸べると、ジョンインは無表情のままゆっくりと握手をした。
…………あれ?
「んじゃ!友だち待ってるし、俺もう行くな!」
「あ、うん。またね、チャニョル」
「バイバイ!ギョンス!ジョンイン!」
チャニョルは長い手をぶんぶん振り回して僕らに手を振った。
友だちと合流するチャニョルの後ろ姿を見送っていると、ガタンと席を立つ音がして顔をあげると、不機嫌な顔でジョンインがトレーを持って返却場所に行ってしまった。
「え?ちょ、待って!ジョンイン?!」
遅れて僕も返却場所にトレーを持っていき、ジョンインの後を追った。
そんなにロスはしていないはずなのに、ジョンインの歩く速さがはやくて、追いつけなくて
やっと掴まえたときには、走ったせいでぜぇぜぇと肩で息をしていた。
園内を歩き回ってるときはそんなことなかったのに…………
………………あぁ、そうか、
僕って……今ごろ気づくなんて
案外、鈍感なのかな
「はぁ、はぁ、、な、に、突然、、はぁ、どううたんだよ、、はぁ、」
掴んだジョンインの袖を逃げないように、振り払われないようにぎゅっと握った。
幸い、振り払われることもなく、ゆっくりと僕に振り向いたジョンインは不貞腐れた子どもの顔をしていた。
………それなのに可愛いと思ってしまうのは、なんでだろ?
「はぁ、はぁ、?ジョンイン?」
「ごめん、ギョンス」
「?」
「ちょっと、そこのベンチに座って待ってて。飲み物買ってくるから…」
「え?いや、だいじょ、「待ってて」
ジョンインは無理矢理近くのベンチに僕を座らせると、売店の方へ行ってしまった。
僕の頭はジョンインの突然の行動についていけずに、その後ろ姿をただぼーっと見ることしかできなかった。