[ Trouble~What Happening ?!~ ] の続き(カイド編)なのでまだの人はそちらを先にお読みください♪ヽ(´▽`)/
ちなみに、カイドの英語の訳は"後悔"です!
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[ Trouble ~Regret Strongly~ ]
side D
「ジョンイナ……。」
声をかけても無視してスホヒョンのところに行ってしまう、ジョンイナ。
あれから僕はジョンイナに避けられてる。
すべては僕が悪いんだけど……。
「ィッ、ったぁ……。」
目を覚ますと酷い頭痛に襲われた。
頭のなかでシンバルを叩かれているようにズキズキと痛かった。
「っ?!」
時計を見ようと頭をあげると、すぐ近くにチャニョルの顔があって、僕は固まってしまった。
よく見るとチャニョルの頬には涙を流した跡があった。
「チャニョル、チャニョル。起きて。」
肩を揺さぶって起こすと、チャニョルは寝ぼけたまま「おはよう、」と元気なく言った。
「あ、ギョンス、大丈夫?」
僕を見るなりにっこり笑うチャニョルの顔色は、よくなかった。
「頭が痛いけど……薬飲めば大丈夫。というか、チャニョルなんでここにいるの?……ここ、僕とジョンイナの部屋だよね?ジョンイナもどこにいるの?」
「ギョンス、覚えてないの?」
?なにを?
あれ?そういえば、昨日の夜はみんなで飲みに行ったんだよね?
そのあとは………あれ?
……どうしたんだっけ??
首を傾げて考えるけど、頭痛に邪魔されてなにも思い出せない。
「まぁ、酔ってたし、覚えてないか。」
チャニョルが眉を下げて肩を落とした。
僕はあまりお酒は飲まないけど、確かに昨日はいつもよりも飲んでいた気がする。
連週1位の嬉しさで気分が高まっていたのと溜まっていた疲れでお酒が廻るのがはやかったのかもしれない。
「……ねぇ、チャニョル。僕、なにかやらかしてない、よね?」
だからか、酔ったらどうなるのか自分でもわからないから、不安でチャニョルに聞いてみると、チャニョルはなぜか気まずそうに視線を反らした。
それにより、僕の不安は増す。
………なんか、ものすごく厭な予感がする。
僕の不安な気持ちに気づいてくれたのか、チャニョルはゆっくり話してくれた。
「昨日、帰るときに寝ちゃったギョンスを起こしたら……酔っ払ってたギョンスが俺に抱きついてきて………で、その…………俺に……キス、してきたんだ………みんなの前で。」
「え、?!」
「それで、その、………ベクもジョンインも全部見てて………ちょっと、いや、かなり?ヤバい状況なんだよね……。」
表情が暗いチャニョルはいつもよりも声のトーンも低くて、現状の重大差がわかる。
僕が、チャニョルにキス?!
しかも、それをベッキョンとジョンイナも見てたなんて………。
それじゃ、チャニョルの涙の跡って……僕のせいでベッキョンと喧嘩しちゃって泣いてたってこと……だよね?
いつもは僕の隣で寝ているジョンイナが居ないのもわかる。
怒ってるなんてものじゃない。
僕が傷つけちゃったんだ!
「そんな、どうしよう………ごめん、チャニョル。ほんとにごめんね。」
あぁ、どうしよう……。
謝って済むことじゃないよね?
でも、謝らなきゃ。
ジョンイナにも、ベッキョンにも。
目頭が一気に熱くなって、涙が出そうだった。
ダメだ。泣いちゃダメだ。
「俺は大丈夫だから。泣かないでよ、ギョンス。」
「ほんとに……ごめん……。」
あぁ、僕は最低だ……。
なんとか涙を堪えてチャニョルとリビングに行くと、みんなの視線を浴びせられた。
そこにジョンイナの姿は見あたらなかった。
ソファでベッキョンが此方を睨んでいた。
その目は赤く腫れていて、泣いていたのだとわかった。
僕はすぐにベッキョンの前に行くと、ベッキョンは顔を反らしてしまった。
「ベッキョン、ごめんね。さっき、チャニョルから全部聞いた。ほんとにごめんなさい。」
ベッキョンの顔を見て謝るけど、ベッキョンは視線を合わせてはくれず、近くにあったクッションを掴むと顔を埋めてしまった。
「ベッキョン……ごめんなさい。」
今の僕にはごめん。と謝ることしかできない。
そっと肩に手を伸ばすと、びくりと跳ねるけど、振り払われることはなかった。
「ほんとにごめんなさい。」
ぎゅっとベッキョンを抱きしめると、耳元で必死に声を堪えて泣いているのがわかった。
僕の胸は見えないなにかに捕まれたようにぎゅっと苦しくなった。
だけど、いちばん苦しいのはベッキョンだよね。
泣いてはいけないとわかっていたけど、僕は耐えきれなくて涙を頬に伝わしていた。
僕の泣き声が聞こえたのか、ベッキョンは僕の背中に腕を回して、僕らは泣きながら抱き合っていた。
僕らを見て一安心したみんなが僕らを慰めてくれた。
僕とベッキョンはお互い目を真っ赤にさせていて、視線が合うと自然と笑みが零れていた。
「ベク……。」
チャニョルに呼ばれるとベッキョンは先程僕にも向けていた冷たい視線でチャニョルを睨んだ。
ベッキョンはなにも言わないチャニョルに痺れを切らしてリビングを出て行き、すぐさまチャニョルが後を追った。
あぁ、ふたりとも、ほんとにごめんなさい。
ふたりを見て落ち込んでいると、ふわりと頭を撫でられてだれかと探ると、タオが柔らかい笑顔で慰めてくれていた。
「ベッキョンもチャニョルも大丈夫!あとはカイカイと仲直りだね!」
「ギョンスヒョン、ファイティン!」
セフンもにっこりと微笑んで顔の前にガッツポーズをして元気つけてくれた。
「うん、ありがとう。」
それから数日がたっても、ジョンイナには謝れずにいた。
仕事で忙しかったのもあるけど、ジョンイナが僕を避けてて話を聞いてくれない。
すべては酔っ払って他の人とキスした僕が悪いんだけど、ジョンイナに拒絶されるのはものすごくツラい。
スホヒョンといることが多くなって、僕はそれに嫉妬しちゃって。自分勝手だよね。
ジョンイナがどんどん僕から離れていってしまう。
もう、僕のこと嫌いになっちゃったかな?
Mのメンバーは中国に戻って、宿舎は静まり返っていて、僕とジョンイナの部屋は僕ひとり。
ジョンイナはスホヒョンのところで寝ていて僕はそれからずっと独りで寝ていた。
ねぇ、ジョンイナ。
ジョンイナはあの日、これ以上傷ついたよね。
ほんとに、ごめんね。
でも、もう、僕もツラいよ。
お願い、僕のとこに戻ってきて。
僕は今夜も、冷えきった個室でひとり泣く。