連週で1位をとった祝いにメンバーで飲みに行くことになって、みんな騒ぎながらお酒をハイスピードで飲んだ。
帰る頃には半分が酔い潰れていた。
俺も人一倍飲んで酔っていたけど、そこまで弱くはない。
スホヒョンが会計に行ってる間に、動ける人は潰れたメンバーを連れて帰る準備をしていた。
「チャニョラ~♪」
ああ!もう!かわいい!!
両手いっぱい拡げて俺に抱きつくベクを抱きしめる。
「うん、ベク帰ろ!」
猫のように俺のほっぺにちゅーして「うん!チャニョラすきぃー♪」って甘えてくるベクに、俺の理性は限界です。
「帰ったらいっぱい可愛がってあげるね!」
ベクの額に俺もちゅっとキスをして立とうとしたときに、ベクの隣で壁に寄り掛かって寝ているギョンスが視界にはいった。
珍しい!いつもはそんなに飲まないのに。
ジョンインを見ると、セフンに寄り掛かってぼーっとしていた。
酔っているからなのか、甘~い視線で寝ているギョンスを見つめている。
ダメだ。ジョンインもあれじゃ動けないな。
仕方なくベクを右で抱き抱えてギョンスを起こした。
「ギョンス~!おーい!帰るぞ~?」
頬をぺちぺち軽く叩いて夢の世界から起こしてあげると、とろんとした目が開く。
「起きて、帰るよ。」
立たせようと手を伸ばした。
そう、このとき、俺はジョンインに任せればよかったと、このあと起きる出来事に激しく後悔した。
「っ?!」
今の俺の頭は真っ白で、思考停止してしまった。
「んんぅ……ん。」
気持ちよさそうに甘い声を漏らすギョンス。
そう、俺が手を伸ばすと、ギョンスは蕩けた顔で俺の首に腕をまわすと分厚い唇を重ねてきたのだ。
もう、俺は驚きすぎて酔いも一気に覚めた。
「ちょっ?!ん、ギョンス??!」
俺の頭を押さえて何度も角度を変えながらキスし続けるギョンス。
一体、どうしたの?!!
俺の腕のなかにいるベクもこの光景を見て放心状態だった。
やっとギョンスを引き離すと、くてりとまた眠りに落ちてしまった。
酔っていた何人かは今の様子で俺と同様酔いから覚めて目を見開いていた。
俺ははっとジョンインを見ると、先程の甘い視線から嫉妬と怒りを含めて睨んでいた。
ベクはばっと起き上がると俺の頭を近くにあったメニュー表で思いっきり叩くと、飛び出して行ってしまった。
「ベクっ!」
追いかけようとしても、ギョンスが俺に寄り掛かって寝ているから動けなかった。
「ベッキョン?!危ないよ、走らないで。」
丁度会計を済ませたスホヒョンがベクを捕まえたらしく、みんなのもとに戻ってきた。
でも、ベクは逃げようとするからスホヒョンはベクの腕を掴んで自分の荷物を持つと「みんな、帰るぞ。」と先に店を出た。
ジョンインはふらつきながらも自力で立ち上がるとふたりの後を付いて行ってしまった。
残されたみんなは僕とギョンスを見てなんとも言えない視線を向けてきた。
あぁ、もう、これからどうしよう?
元凶ギョンスはぐっすりと深い眠りに落ちていた。