ほんとに運命だと思った。
ずっと一緒にいれることが嬉しかったんだ。
side C
ノックをしてジョンインと一緒に会議室に入ると、知らない奴数人のなかにギョンスがいた。
ジョンインはギョンスを見るなり抱きついてキスをした。
「んんっ!?ちょっ……ジョンイナ、ストップ!」
ギョンスは必死で離れようとするけど、頭を抑えられて声が漏れるだけだった。
その場にいる全員がふたりに注目して驚いていた。
「チャニョ……たすけっんんっ!」
「ギョンス、最中に他の男の名前呼ばないでよ。」
ジョンインはむっとしてまたキスしようとしたとき、後ろからシャツを引っ張られて離された。
「この野獣が!!TPOわきまえろ!」
さっきの俺のお姫様がギョンスを守るように抱きついていた。
「ジョンデ!この獣をどっか捨ててこい!」
シャツを引っ張ったジョンデと呼ばれた男は笑いながらジョンインをギョンスから離すだけにした。
すると、俺に気づいて「あ、」と指を指した。
お姫様はジョンデの視線の先の俺に気づくと驚いていた。
そりゃ驚くよね、俺だって驚いてんだもん。
「チャニョル?!」
えっ?!なんで俺の名前知ってんの?!
「ベッキョン、チャニョルと知り合いだっけ?」
え?てか、ギョンス、その子と知り合い?
お姫様はベッキョンっていうの?
「おい、だれが、お姫様だコノヤロウ!」
自分の思ってたことが声に出てることに気づかなくて慌てて口を抑えた。
「とりあえず、落ち着こっか。」
冷静にジョンデが場を落ち着かせようとした。
「その方がこっちもありがたい。」
俺とたいして身長差のないイケメンも加わる。
ガチャっと扉が開くとセフンと後ろに包子みたいな子が入ってきた。
タイミングがいいのか、悪いのか……。
「あ、セフン。」
「あ、チャニョリヒョンども。ギョンスヒョン、ジョンインに教われなかった?って、あ、遅かった?」
セフンはギョンスとジョンインの間にベッキョンとジョンデがいるのを見て笑っていた。
「ねぇねぇ、ベッキョンっていうんだね!俺、パクチャニョルって言うんだ!よろしくぅ~!」
俺はセフンに寄りかかりながら手を差し出した。
ベッキョンはその手を叩くと、「俺はビョンベッキョン、よろしくない!」と紹介してくれた。
「いやいや、ちょっと待って、ふたりとも!まずは空気よんでよ!」
「わぁ、助けてあげたのになんだよ~。」
「お前はなんもしてないだろ!」
ジョンデが尽かさず突っ込む。
「そうだ!見てたんなら止めろよな!」
ベッキョンもジョンデに参戦する。
「わ、わ!俺ひとり、いじめるなんてひどっあいたぁああ!」
後ろから叩かれて振り向くと先生が怒った顔してたっていた。
「とりあえず、お前ら全員黙って席につけ。」
「「うぃっす……。」」
それぞれ席に座ってこのメンバーで中韓の2グループに分かれて活動すると、これからの話に全員耳を傾けて緊張感が漂った。
俺とベッキョンは同じ韓国側で活動することになり、俺はベッキョンに運命を感じはじめていた。
ベッキョンを見ると呆れた顔して俺を見ていた。
え?え?え?
俺、なんかした?
「説明は以上だ。デビューはゴールでなくスタートだからな!これからはより身を引き締めていくように!とくに、チャニョル!」
「わぁ?!えっ、俺?!」
「お前はこの中でいちばん落ち着きがないんだからしゃきっとしろよ!」
「ねぇ、先生。俺に対してキツくないっすか?」
「気のせいだ。俺はお前が選ばれたことが不思議でしょうがない。」
そういう先生は笑っていた。
俺っていじられやすいのかな?
ま、いっか。
「納得いかないけど頑張る!あ、ついでにみんなに紹介するね!俺、パクチャニョル!よろしくお願いしまーす!」
席を立ってみんなに向かって自己紹介をすると、ギョンスとジョンデは笑いながら拍手してくて、みんなも続いて拍手をして、ひとりひとり自己紹介をした。
「あー!なんか、一段落?したらお腹すいたー!」
「それじゃ、チーム結成の記念に食べに行こうか!俺が奢るよ!」
「まじ?!ヒョン、いただきまーす!♪」
伸びをしながら叫ぶと、総リーダーになったジュンミョニヒョンが誘い、全員で食べに行くことになった。
「なぁ、ベッキョン!なに食いたい?」
「焼き肉だろ!サムギョプサル食べたい!」
隣にいるベッキョンは目を輝かせていた。
そんなところもかわいいな~なんて思って見てると、ベッキョンにバレてお腹を殴られる。
「ニヤニヤしてんじゃねーよ!ばか。」
「へへっ。これからよろしく、ベッキョン!」
笑ってみせるとベッキョンも笑って、俺たちは肩を組んでみんなと焼き肉屋へ食べに行った。