今回の脱会者は、ライラさん。彼女はモルモン最高指導者の一人、ハートマン・レクターJR(Hartman Rector Jr.)長老の娘さんです。父親が七十人に召されると家族はどのような影響を受けるのか?お父さんはどんな人だったのか?なぜライラさんは教会を去ることになったのか?読みながら考えてみて下さい。

 

https://www.youtube.com/watch?v=IFNC1_x5oGk

ライラ・トゥーラ―のモルモン教会脱会ストーリー

●父が七十人に召されてから家族はバラバラになった
私が7歳の時、父は召されました。その後、父はほとんど家にいませんでした。それに、よく、母のことも連れて一緒に1か月程留守にしました。その間、私たちは友達や親せきの家にバラバラに預けられたんです。時には、母が若い新婚カップルを雇ってうちに住まわせ、私たちの面倒を見させました。
 私はこれが大嫌いでした。朝起きると、お腹が痛くなるんです。「お母さんはいないんだ」って。弟の一人が子供に性的な虐待を与える人間のいる家に預けられたこともありました。弟は3歳位だったので、もしかしたら体を触られたかもしれませんが何をされているのかわからなかったでしょう。
 両親はドイツや日本に教会の召しで行ってしまい、帰ってくるとたくさんのおもちゃを買って来ました。それで済むと思っていたのでしょうが、私はすっごく間違っている、と思いました。教会はいつも家族が大事、と言うけれど、私たちは完全にネグレクトされていたんです!これのどこが「家族を大切に」なわけ?
 でも、時々、子供の一人を旅行に一緒に連れて行ってくれました。それは楽しかったですが。
 父は教会の召しで忙しかった。家に帰って来ると、母が「ライラがこんなことした、あんなことした」と言いつけるので、父は三時間位私に怒鳴りつけて説教しました。父は「父親と娘」の時間を一度も私の為にとってはくれませんでした。いつもいないので、私が何を悩んでいるか、どうしてほしいのか、全く考えてくれなかったんです。気づきもしなかった。七十人に召される前は父はこんなんじゃなかったのに。だから、良いこともあったけど、不幸せだったんです。七十人や十二使徒の子供たちは、精神的にものすごい犠牲を強いられるんです。
●娘の妊娠を恥じ、遠くへ追いやった父
フロリダで、私の姉の一人が現地のモルモン青年との間に子供をつくってしまいました。すると、父はすぐに姉をジョージア州に追いやりました。私たち子供たちは、このことを絶対に誰にも言わないようにと誓わされました。父は、相手の男性と有無を言わせず結婚させました。後に姉は神殿で父によって結婚式を挙げさせられました。実は、姉の夫は虐待を姉にしていたのですが、姉は自分が結婚してないのに妊娠したことで自分を責め、虐待されるのを我慢してこの暴力夫との間に6人の子供をもうけました。しかし、後に二人は離婚します。
 父が、姉が妊娠した時に激怒し、泣き叫んでいたのを私は覚えています。父にとって、姉は「恥」だったのです。それから長い事、私は姉と会うことはありませんでした。
●母は本を書いて家計を助けた
父はいくらかの給料を教会からもらっていましたが、あんまりたくさんではなかったようです。それで誰かが「金がほしいなら本を書きなさい」と言ったので、母はしょっちゅう部屋にこもって本を書いてましたね。
 あとは、安い店で買い物するようにしてました。でも、実は私たちはいろんなものをただで支給してもらっていたので、結構良い生活をしてたんですけど。
●家庭の夕べや聖典勉強をしきりたがる父
父が家にいる時は、(それはまれなことでしたが)、父が家庭の夕べのレッスンを教会の教材を使ってやりました。朝は6時に聖典勉強をさせられました。あんまりおもしろくなかったけど、私たちはレッスンを聞いてあげました。いつもけんかばっかりしてたけど。
●教会のルールを平気で破る父
父は、神殿の中で着る白い服を着たまま買い物に行ったりしました。Rと判断された映画(暴力的だとかの理由でモルモン教会が見てはいけない、と教えている映画)もじゃんじゃん見てました。初めの方は日曜日にレストランへも行ってました。
●亭主関白だった父
父が食事をする時、母はまるでウェイトレスのように父に仕えてました。食事中も「ジャムがほしい」「水がなくなった」とか父が言うと、母は取りに行ってゆっくり食事もしなかった。
●私たちは父に虐待されていた
父は、よく、兄たちに手を上げました。私が一番ひどい虐待を受けたのは、私が「ジーザス・キリスト スーパースター」というロックミュージカルを見に行った時です。この作品は、イエス・キリストが十字架にかけられるまでの最後の7日間を描いたものでした。

母からこれを聞いた父は激怒し、私を蹴ったんです。部屋中、私をけっとばして追い回しました。「あの映画を見るな、とアメリカ中を回ってキャンペーンしてたんだぞ!」と叫びながら。父はほとんど家にいなかったから、自分の子供たちに見ちゃいけないと言ってなかったんです。
 今思えば、ひどい虐待を受けていたんだな、と気づきます。父は暴言も吐きまくってましたから。
●カリフォルニアでレズビアンたちと知り合いになった
父が今度はサンディエゴへと伝道部長に召されたので、みんなで引っ越したのですが、あるモルモンの友達が出来たんだけど、その子が片思いした男の子が私をデートに誘ってきました。これに怒ったこのモルモンの友達は、私がレズビアンンである、と学校中にふれ回ったみたいで、おかげで女の子たちは私に近づかず、レズビアンの女の子たちが家に呼んだりして良くしてくれました。
●明るく、楽しかった父
うちにはいつもいろんな人が家に来てました。そこでポール・トスカーノみたいなすっごい人と知り合いになれたし、大きなテレビをみんなで見て大声で笑ってました。
(ポール・トスカーノは「セプテンバー・シックス」の一人。教会リーダーたちの金儲けへの執着や歴史をねじ曲げて信者に教えて権力をふりかざす様を批判した為に、破門された。)
 父と母は本当に仲が良かったんです。それを見てるのは楽しかったわ。
●七十人の家族としての特典はすごい!
ースポーツジムを無料で使える
ー映画を無料で見れる
ーBYU大学の授業料は払わなくていい
ー薬代・医療費も教会が払ってくれる
ーたくさんのレストランで無料で食事が出来た
ー車も教会が買ってくれた
ソルトレークには、七十人と十二使徒たちおかかえのケータリングサービスがあり、いつでも無料で食事を頼むことが出来た
ー総大会の度に、ものすごくぜいたくなランチを食べさせてもらった
500種類もあるかと思うデザート、ロブスター、ステーキ・エビなど、最高の料理を腹いっぱい食べた。みんなで大声で笑って食べてましたね。
教会は「私たちの教会には給料をもらっている人はいません」と主張しているけど、そんなことはないわ。結構なお金をもらう人もいるし、それに、払わなくてよい物がものすごく多かったもの。私の家族でさえ、結構リッチな生活をしていたわ。
●セレブのような扱い
ソルトレークでは、レクター長老の娘だということで、どこへ行ってもちやほやされました。いろんな人が自分たちのビジネスの物品を父にプレゼントしてくれました。いっつもたくさんの贈り物を父はもらってましたね。でも、私は「自分は一体だれなのだろう?レクター長老の娘、それだけ?」と困惑することもありました。自分のアイデンティティーがなかった。それに、常に模範となるようにと教えられたので、ひどいストレスでした。
●詐欺師にだまされて財産を失った父
モンソン長老やボイド・K・パッカーは十二使徒になった後、億万長者になっていくつもの家を持つていたけど、私の父はお金の運営を間違えました。父はモルモンの投資サギ師リック・カーバー(Rick Koerber) にだまされて、ほとんどの財産を失ったの。(1970年~80年代はモルモン社会の中でステイク会長やビショップたちが12使徒や七十人たちの名前を使ってたくさんの投資サギを行って信者を見事にだますのが多かったのよ。リックは私の父の名前も大いに使ったわ。「七十人のハートマン・レクターも僕の会社に投資してますよ」って宣伝してね。
●父の総大会での話がカットされた
私が18歳の時、父が総大会でこういう説教したの。「ホモセクシュアルは罪です。チョイスなんです。もし子供たちが幸せな生活をおくっていれば、ホモセクシュアルになりたいとは思わないはずです。ホモセクシュアルは、中毒です。ドラッグや酒やポルノグラフィーと同じように。」という内容でね。でも、父はキンボール大管長の言葉を引用しただけ。ま、今でもオークスなら言うでしょうけどね。
 私がカリフォルニアにいた時、レズビアンの友達が「生まれた時からずっと女の子にひかれてたの」と話していたのを聞いてたから、私は父の言葉は間違っていると思ったんです。一体誰が好んでホモセクシュアルになるといいうの?当時はいじめられて、バカにされて、クズの様に扱われたのよ!これは、どうしようもないこと、肌の色みたいに、だと思ったんです。だから父に私は真っ向から反対しました。
 父の話が放映された途端に、ニューヨークタイムズに猛攻撃されました。だから、教会は父の話をエンザインに載せなかったんです。イメージが悪くなるということで、父の話だけカットして印刷してみんなに配ったんです。今ではしょっちゅこういうことを教会はしてるみたいですけど。
 私は父にカットされたことについてどう思うの?と尋ねたけど、「俺は聖霊の導きに従って話したまでだ。セカンドアノインティングを受けたんだから、俺は間違えないんだ!」と言ってました。
 Ronald E. Poelman(ロナルド・ポールマン)という七十人が1984年に総大会で話した説教も、書き直されてビデオも編集されました。
カットされたロナルド・ポールマン長老の説教の一部をここに載せます。
“As individually and collectively we increase our knowledge, acceptance, and application of gospel principles, we become less dependent on Church programs. Our lives become gospel centered.”
「私たちが福音への知識を増し、受け入れを増し、それを毎日の生活に取り入れることによって、教会のプログラムに頼る必要はなくなっていきます。人生が福音を中心としたものになるのです。」
 この斬新な考えは、上層部にとって都合の悪いものでした。モルモン上層部の究極の目的は、彼らが指示するプログラムやルールに信者を従わせ、コントロールすることです。ポールマン長老の考えは、それを邪魔するものだったのです。
●天国へ行って神になる、と約束された両親
私の両親は神殿でセカンドアノインティングを受けました。それは、死んだら昇栄する、と約束されること。父は、これは内緒だよ、誰にも言うな、と私たちに言っておきながら、ことある毎に「俺はセカンドアノインティングを受けたんだ、絶対に間違えることはない」と言い、父は何をしても絶対に私たちに謝りませんでした。母には謝ったけど。基本的に、セカンドアノインティングを一度受けると、その後脱税しても、不倫しても、罪のない人を殺すか聖霊に逆らうかしなければ、何をしても許されるんですって。

●モルモン教会は男性崇拝主義だ
私が神殿に入った時は儀式は古いままで、かなり男性崇拝を思わせる言葉を聞かされました。男性は女性がいないと昇栄出来ないとか何とか言ってるけど、家族で違うワードに行くと、いつも父が上の方の席に招待されて座り、母は私たちと一緒。母は父よりも働いていたのに、いつもいつも、賞賛を受けるのは父でした。
 私は神殿で「妻は夫に従え」という文句を聞く度に、心の中で「そんなこと従えるもんか!」と言ってました。
●信者の信仰を増す為ならウソもつく
父は黒人の友達がたくさんいました。ある時、黒人の友人が来て、「僕は結婚するんですが、神殿で結婚式出来ません。どうして?僕が何をしたっていうんでしょう?」と言ってきました。すると父は彼に祝福を授け、「1年以内に黒人にも神権が与えられると約束するよ」と言ったんです。それを聞いてた母は、ものすごくびっくくりして「何て事言うのよ、あなた!そんなこと、わからないでしょう?」と責めました。 でも、父の言った通りになりました。この黒人の友人は有頂天になってそれについて本まで書いたんです。父は満足そうでした。
 でも、実は、父は知っていたんだろうと思います。毎週木曜日、教会の指導者たちは神殿の塔のてっぺんに集まってこのことについて話し合っていました。そのうち、神権を黒人にも与えることを話しあっていたのでしょう。
 父は人の信仰を増す為に、よく話を盛りました。ポール・H・ダンはその良い例ですが、モンソンや他の長老たちも同じことをやったんです。私はその証人です。
 「誰かの魂を救う為なら、多くの罪は許される」という言葉を父が引用したのを覚えてます。確か、ジョセフ・スミスの言葉だったかしら?
ポール・H・ダンについては、

彼のほら吹きの話は有名です。
●黒人への人種差別をしてきたモルモン教会
「私は差別してない。モルモンは差別などしない」と言う信者が時々います。でも、モルモン書には、神は悪い民の肌を黒くしたと書いてあるし、【高価なる真珠 モーセの書7章8節】の中に黒い肌はのろわれた証拠だ、とはっきり書いてあります。だから、どんな言い訳をしても、モルモンとしてこれらの書物を聖典として信じている限り、人種差別に賛成していることになるのです。
●サラマンダーの手紙
マーク・ホフマンというモルモン信者が古い文書を見つけた、と言ってきました。なんでも、教組ジョセフ・スミスに金版のありかを知らせたのは白いサラマンダー(サンショウウオ)だった、という内容でした。私の兄たちや父がこれについて興奮して話し合っていたのを覚えています。父は、この文書を自分の所有物にしたい、と言ってたくらいです。キンボール大管長やヒンクレー長老はこれが本物かもしれないと思い、数人の信者たちにこの文書を買わせて教会に寄付させようとしてました。文書を買った人が、実は兄の知り合いで、なんとこの知り合いはマーク・ホフマンに疑問を抱いた為に、ホフマンに爆弾で殺されてしまったんです。
 事件が起きた為に警察が動き、マーク・ホフマンが教会員に売っていた文書は全て偽造文書だったことがわかりました。
 私は父に、「どうしてヒンクレーやキンボールはだまされたの?彼らは予言者じゃないの?ホフマンが悪者だって、わからなかったわけ?」と聞きました。父は、人間だから間違えることもある、と答えましたが、私はこう言いたいですね。
「間違いを犯すなら、自分たちを支持しろとか、偉そうに私たちに指図するのはやめてよ」と。
●いやしの儀式は効かないこともよくある
私の父はいろんな人にいやしの儀式をして、治ったこともあるし、治らなかったこともあります。
 ある未熟児が絶対に助からないと言われました。そこへ父が来て「この子は元気に育ち、神殿結婚する」と祝福しました。そしたら、この子は生きて、神殿結婚しました。父はこの話を奇跡として、よく語っていました。数人の宣教師たちが「あなたのお父さんに癒しの儀式をしてもらって僕は治りました」と言ってきました。
 でも、祈りが効かないこともありました。ある女の子が倒れてきた木の下敷きになり、体が麻痺してしまいました。父はこの子に「あなたは手術が成功して歩き、普通の生活が出来るようになる、完治する」と長~い祝福をしました。でも、彼女は今でも車いすです。
 それに、私の夫がガンになった時、私は子供たちに何日間も断食させて、いろんな指導者たちが夫は治る、といやしの儀式をしてくれました。でも、結局夫は死んでしまった。必ず治る、と祝福しておきながら、このザマです。あれだけ信じて断食して頑張った私の子供たちの気持ちはどうなるっていうんですか?
 大体、いやしの儀式が効くなら、病院なんか要らないはず。モルモンの長老たちが一日中働いて、世界中の病人を治せばいいのに、結局そんなこと起こらない。
●サンストーン
サンストーンとは、モルモン教会の歴史的事実をもっと公表しよう、という人たちが立ち上げた組織です。定期的に集会を開き、雑誌も出しています。私の兄のダンも所属していたので、いろんな知識人が我家に来て話し合ってたのを覚えてます。私は、この時に、多妻婚が実は教会で教わったことと根本的に違うことを知りました。
知った内容は以下の通りです。
ー教祖ジョセフはエマに内緒で多くの女性と結婚し、肉体関係を持った
ーエマが多妻婚を拒絶すると、「受け入れないと地獄へ落ちるぞ」と脅した
ージョセフは14歳の少女まで自分の妻にした
ー親友のエライザ・スノーがジョセフの子をみごもったことを知ったエマは、エライザを階段から突き落とした
ージョセフは男性たちを伝道に出し、その間に彼らの妻たちを自分の妻にした
「ジョセフは良い人のはずでしょ?これが予言者のすること?信じられない!」と父に言ったら、「まあ、これが事実かどうかわからないさ。反モルモンのウソ情報かもしれないだろう?教義と聖約132章を読んで、あとはモルモン書を読んでればいいんだよ。」
 でも、132章を読んだらもっと腹が立ったわ。だって、そこには、「エマの許可を得なくても、ジョセフは多くの女性を妻にしても全く罪に問われない」と書いてあるんだもの
 あとは、ジョセフ・スミスが魔術や宝探しをしていたことも知ったの。モルモン書には、宝を隠したがなくなった、という話が出てくるけど、これは、ジョセフがそのようなことをしていたからそれをモルモン書に書いたんだと、今は思うわ。
 
●ボイド・K・パッカーに脅された兄
12使徒のパッカー長老が電話してきて、兄のダンに「サンストーンを脱会しろ。さもないと、私の助言に従わなかったとして、一生涯のろいがつきまとうだろう」と脅してきました。兄はこの時、組織の代表でした。サンストーンで話されていたことは、教会のイメージを損なうと上層部は判断したのでしょう。しかし、兄は長い間これに抵抗しました。
 なぜなら、このようなことは日曜学校でも聖餐会でも話し合いが禁じられており、他に話し合う場所がなかったからです。
 父は結構オープンマインドな人だったので、サンストーンに反対してはいませんでしたが、上層部から「お前の息子をやめさせろ」とプレッシャーをかけられました。兄のダンは、かなり抵抗したんだけど、その為に神殿推薦状も責任も取り上げられました。彼と一緒にサンストーンに関わっていた歴史家たちが次々と破門されました(この時破門された人たちはセプテンバー・6と呼ばれています)。兄はディスフェローシップされましたが、父が七十人だった為か、破門はされませんでした。
 この時代、BYUの教授で歴史家や科学者たちがどんどん解雇されました。女性への権利を主張したり、地球が実際はどれだけ事実を述べたり、歴史の事実を公にしようとしたからです。真実を話した人たちがどんどん破門されました。
 ボイド・K・パッカーが「教会にとっての3つの最大の敵は、知識人とフェミニストとゲイである」と言ったようですね。ひどいですね。この人こそ、反モルモンですよ。私の父は、パッカーのことが嫌いでした。父曰く、、十二使徒の中にも良い人と嫌な人がいるようで、「パッカーは良い人ではない」と父はいつも言ってましたね。
 パッカーは私の兄のダンにのろいをかけたけど、ダンは本当に幸せな結婚をして、人生を楽しんで良い人だった。彼は確かに若くして亡くなったけど、これがのろいだったとは思えないわ。
●私の育った家族の不幸せな結末
私は9人兄弟の6番目です。8人が実の子、一人は養子です。この養子の子は現在、ドラッグやったりしてます。
 兄の1人は教会をやめ、家族も捨ててロシアへ行ってしまいました。最終的には、若くして死んだ兄のダン以外は離婚しました。9人中8人が離婚したのです。そして半数以上がモルモン教会を去りました。
 兄のジョンが大統領選挙でオバマに投票した時、父がものすごく怒ったので、ジョンはその後、父に何も相談しなくなったし、教会を去ったことも言わなかったんです。
ところで、ジョンはモルモンでない女性と再婚して現在幸せに暮らしています。
 私も離婚したことを父に話したのは、離婚してから2年後でした。私とあと2人の姉が夫から虐待されましたが、相談しても、父は「我慢しろ」と言っただけでほとんど何もしてくれなかったんです。だから、みんな相談するのをやめたんです。父とうまくやっていくにはそれしかなかった。 
●辛かった私の結婚生活
結婚してすぐ、私と夫は性格が合わないとわかりました。夫からは虐待も受けました。
 でも、父に相談したら、「離婚などあり得ない。お前が自己中なんだ。神殿で誓約を交わしたのだから、最後まで耐えろ」と言われたわ。母も、何もしてくれなかった。
 夫は父とものすごく仲良かったので、離婚は有り得なかったんです。「これが私の試練なんだ、手足が無い人もいる、子供が生まれない人もいる、みんな苦しい人生を送っているんだ」と自分に言い聞かせて生きたのです。
 監督に相談しても、「お父さんに相談したらどうです?彼は七十人でしょう?」又は「聖典を読んで祈って頑張って下さい」としか言われなかったの。
 
●霊が肉体から離れた経験
42歳の時に私は間違えて薬を大量に飲んでしまい、心臓が止まってしまったの。そして、霊が体から離れるという経験をしました。夫が私を生き返らせようとしているのも観たわ。そしたら、死んだ兄のダニエル(ダン)が現れて、私の手を取って二人で旅をしたの。
でも、モルモン教会はそこに一つも出てこなかった。全く、何も!
 でも、私は赤ン坊がいたから、帰らなきゃ、と思った。実は、長年、死にたい、死にたい、と祈ってきたし、うつ病の薬も飲んでたけど、子供の為に帰ってきた。でも、この時感じたのは、今まで教会でいろんな戒めを守るように言われてきたけど、そんなことはどうでもよい、ただただ、良い人になるように努力しよう、ということ。意識を失っていたのは、たった6分位だったけど、もっと長く感じたわ。この時から私は変わったの。夫に対しても、以前程はむかわなくなったし、宗教にとらわれることなく、初めてと言って良いほど平安を感じるようになった。夫もそれを感じ取ったみたいで、私たちは決してロマンチックな関係ではなかったけど、以前よりは歩み寄ることが出来ました。
●監督に背中を押してもらって離婚を決意
52歳の時、これ以上夫と一緒にいられない、と思って監督に相談したところ、彼は「私は祈って、神様から答えを受けました。あなたは長い事不幸でした。もう自由になって良いんですよ」と言ってくれたの。信じられなかった。今までの監督は、祈って頑張って下さい、というだけだったから。私は夫に話をして、夫は受け入れてくれて平和に離婚することが出来たわ。私は家を出たました。でも、毎週両親は夫の家に来て私もそこへ行って一緒に食事して、まるで何事もなかったかのように振舞いました。2年間、私たちは両親に離婚のことを内緒にしてたわ。そしてやっと告白したけど、父はショックを受けたけど怒りはしなかった。夫と私は別れた後の方が仲よくなった。

●元夫の闘病生活
その後、夫がガンになって私は家に戻り、復縁したわけではないけど、彼を世話したんです。父や多くの指導者たちが、夫にいやしの祝福をしたけど、夫は亡くなりました。
●真実を知り、教会への信仰を失う
 離婚してから私は教会に行くのが辛くなったの。だって、家族は永遠に、というメッセージばかりだったから。特に扶助協会はきつかったわ。だから聖餐会だけで家に帰ることが多かったです。
 ある時、友人が私にキャロル・リン・ピアソン(Carol Lynn Pearson)の動画を見せてくれました。キャロルは、「ジョセフ・スミスは詐欺師で、彼の多妻婚は神からきたものではない。」と言ってました。
 「ちょっと待って!これって、私の兄のダニエルがサンストーンで話し合っていたことでしょ?じゃ、これって本当のことだったの?つまり、兄は本当のことを話していたのに、パッカーから脅されてディスフェローシップされて、上層部から悪者扱いされたわけ?」
 それで、私は最近教会の上層部がこれらを事実として認めたことを知りました。ネットで、「福音のテーマの論文」として出てます。
私は、ダン・ボーゲル(Dan Vogel)等の歴史家の動画を見たりして、一週間、いろんな情報を読みあさりました。そして、教会を去ることに決めたんです。
 モルモン教会がどれだけ私からいろんなものをむしり取ったことか!
ー不幸な結婚生活も我慢した、なぜなら神殿で結婚したから家族がバラバラになると脅されて怖かったから。
ー教会は私からものすごくたくさんのお金をもぎ取った!私は辛かったから、祝福を受けたいと思って10分の1も断食献金も2倍払ってきた
ー小さい時、父と母が家にいなくて寂しかったのにも耐えた。
ー七十人の娘ということから期待されるプレッシャーにも耐えた。
ー下らない、どうでも良いルールに縛られた
ージョセフ・スミスの作り話のモルモン書を神の書物だと信じて毎日毎日読んでました。本当に、恥ずかしい!
ー神殿の儀式は大嫌いでした。変な服を着て奇妙な儀式をして、本当にカルトでした。だけど、神の教会には従わなければならないから仕方なく行った
初めは、本当に腹が立ったわ。本当に本当に、腹が立ちました。
●教祖ジョセフ・スミスは狡猾な人間だった
ジョセフの多妻婚は私が教会を去るに至った一番の原因です。彼は妻のエマにウソをつきました。彼女に内緒で多くの女性と関係を持った、そしてこれを拒絶したエマを、神の名によって脅したんです!何て不誠実でズルい男でしょう!信じられない!
恐ろし過ぎます。聞くところによると、エマはジョセフに結び固められた最初の女性ではなかったんですってね。17番目ですっけ?信じられません。
 ジョセフは、純粋な女性や少女たち、忠実な男たちをだまし、彼の恐ろしい教えを信じさせ、行動に起こさせました。彼のしたことはあまりにも醜く、だから教会はこれを信者に隠そうとするんです。そして、私の兄のように真実を話すと、話すだけで、破門したりいじめたり、脅したりするんです。私としては、これは想像以上にひどいことです。
●アブラハムの書
アブラハムの書は全くアブラハムとは関係なかったと知りました。教会はこれを認めながらも、「これは翻訳ではない、そんなこと教会は言ったことがない。でも、何であれ、これは神からの啓示だ」と訳のわからない言い訳してるけど、これはびっくりでした。 
●ジョセフはサギ師
ジョセフは地主からお金をもらって宝のありかを見つけるという仕事をしてましたが、結局宝は見つからず、つまり、詐欺師だったわけです。
●ジョセフはひどい、ひどい人だった
ジョセフはエマに内緒で多くの女性と結婚し、肉体関係を持ちました。これが一体、どうして正当化されるのか、私には全く理解できません!恐ろしい、恐ろしいことです。
●忙し過ぎて考えてる暇がない
私は自分で面倒見切れない程多くの子供を産んでしまいました。教会の召しもあり、教会に疑問があってもそれについてじっくり考える暇がなかったんです。
●今は幸せで満たされている
 現在、私はモルモンをやめた友達と時々集まっていろんなことを話し会っています。教会に疑問を持つメンバーも参加して、数人が教会をやめました。
 教会の全てが悪いとは言いません。教会は昔よりも良くなっていると思います。でも、私は井戸の水が毒で汚染されていたら、そこから飲みたくないんです。
 だから、モルモンをやめました。
この前、教会からひどいことされてものすごく怒っている人たちが集まって話をしてるのを見ました。本当に理解出来ます。だけど、そのうち怒りはおさまる。教会に行っていて楽しかったこともあったはず。それを思い出しましょう。今はただ、自由になったことを感謝しましょう!