【その後の心境】
今回のような露骨な内容を,どうしてこのタイミングで書こうと思ったのか,その理由を書いてみたいと思います。
私はこれまで書いた通り,25歳の時にJWの組織に見切りをつけ,
その後大学を卒業し,大学院を修了して博士号取るまでの間に,完全にJW教理の虚偽を確信し,
自分の中では完全に心の整理がつきました。
この間,多くの人に「逆証言」をして,JW組織の真実を伝えましたし,
大学院の文献や情報検索システムを使えたことからいろんなことを調べ,
「どせいさんのエホバの証人日記」や「JW.com」というサイトを作成・運営したりして,
多くの人に正確な情報を伝えられるように努力したりしました。
その後,最初に受けた司法試験に合格し,司法試験合格から10数年が経ちました。
弁護士としての毎日の生活では実に凄惨な事件も多く扱いましたし,
日々,毎日毎日,「人生で最大の困難に直面した」人ばかりが依頼者として次から次にあらわれ,
JWの偽の活動とは全く違い,そうした人たちの人生を本当の意味で助けることを日々繰り返すことで,
自分が生きていることの意義をある程度感じ,
ある程度の人間としての達成感や満足感を感じるようになりました。
そんな日々でしたので,ここ数年はJW問題とは全く関わりを持たず生きてきていましたし,
「K君」との関係や,それに象徴される「JWと自分」との関係も,ある程度,「昇華された」ように感じました。
JWだった当時は「K君」のことをひどく疎み,妬み,
JWをやめた直後はまた別の醜い感情を彼に持っていましたが,
いつしか,
・「JWでありながら大学に行き,その後もべテルに行くことでいろんなことをいろんな人に言われた彼も,実は辛かったかもしれない」
・「JWであるがゆえに彼も多くを失ったのかもしれない」
・「今もJWを続けざるを得ない彼は,信じているのであろうとはいえ,かわいそうな状況なのかもしれない」
といった感情の方が強くなりましたし,
・「一人の人間としては彼は本当にまっすぐで良いやつだった,今もそうだろう」
・「自分がJWを辞めれたのは,たまたま幼馴染として,「JWとしてのK君の人生」を観察できたからであって,彼は本当に,自分の人生を救ってくれた『大恩人』だ」
と,素直に思うようになっていましたし,穏やかな心境を持つようになっていました。
【また来た驚きの知らせ】
そんななか,現役信者である自分の親族と話をし,
今の会衆の兄弟たちが何をしてるか,電話で教えてもらうことがありました。
「あの兄弟は長老になったよ」,とか,「あの子は結婚したんだよ」,とか,
他愛もない,今の会衆の現状,幼馴染みたちの現状を教えてもらっていました。
その親族は,私の当時の「K君」への感情を知っていたので,
気遣いからか,「K君」の近況を話さないので,
「そういえば『K君』はどうしてるの?」と私から聞きました。
その親族からの答えに,再度びっくりしたのですが,
「K君は,巡回監督になったよ」
と聞かされました。
私はかなり驚き,また,信じられなかったので,
「何かの間違いじゃないの?本当なの?」と聞き返しました。
その親族は,
「本当だよ。確か新しくできた何かの学校に招待されて,しばらく一時特開していたけど,正規の巡回監督になったんだよ。」
「間違いないよ」
と伝えられました。
これを聞いて,私は,再度,いろんなことを深く考え込んでしまいました。
ただ単に長老をやるのと,「巡回監督」をやるのは,全く意味が違います。
巡回監督は,その権限も,得ることのできる秘密情報の量も幅も,長老とはケタ違いです。
実際,2000年代に統治体をしてきた,ガイ・ピアース,スティーブン・レット,サムュエル・ハード,アンソニー・モリス3世などは,いずれも旅行する監督をしていて,旅行する監督として多くの秘密の案件を扱ったのち,その後,ほぼいきなり「統治体」に格上げされています。
旅行する監督時代の実績が評価されたことと,旅行する監督時代に組織の中枢の仕事をしていたことは間違いないと思います。
このことからもわかるとおり,
巡回監督をするということは,強大な権限においても,大量の秘密情報を知るという意味でも,
完全に「組織の中枢」に入るという事だと思います。
私は,「K君も被害者の一人かもしれない」と考え,
彼への気持ちは昇華され,穏やかな感覚しか持たなくなっていましたが,
この事実を聞いて,考えが変わりました。
・彼は,行く先々の会衆の演壇や大会の演壇で,「王国を第一にして,大学に行かないように」と教えるのでしょうか。
自分は,王国を第一にせず,大学に行ったのに。
・彼は,「べテルに行きたければ必要の大きな所で奉仕し,人として成長するよう」と多くの若者に助言するのでしょうか。
自分はずっと親元にいて,一度も必要の大きな場所に行かなかったばかりか,自活したこともない状態でべテルに行き,その後,エリート扱いされて巡回監督になったのに。
そう考えると,私は,今回書いた内容のような「真実」を,せめてどこかで公表しなければならないという,
「義務」,「責務」のようなものを感じ,今回,一気にブログに書くことにしました。
幼い時にいつも一緒で仲の良かった二人でしたが,
いつも王国を第一にして,「べテルに行き巡回監督になること」を目標にしていた自分はべテル奉仕者にもなれず巡回監督にもなれず,
王国を第一にしているとはとても見えなかったK君がべテル奉仕者になり巡回監督になったこと,
弁護士になるためにべテルの法律部門に入った「K君」は弁護士にならず,
かつて王国を第一にしていた自分が完全に「世の人」になり弁護士をやっていることは,
本当に皮肉なことだと思っています。