14 失意のどん底で②‐いろんな人に相談 | エホバの証人(JW)について考えるブログ

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弁護士。元JW2世。1980年代後半13歳バプテスマ・90年代前半高校生で正規開拓者,18歳奉仕の僕・その後外国語会衆・一時的べテル奉仕・2000年代前半大学進学・自然消滅・JWと決別、その後弁護士という人生です。過去の経験を書き綴り皆さんとJWについて考えていきたいです。

この,23歳から24歳ころまでの1年間は,非常に混乱した時期でした。

 

ⅰ.組織が「明らかに偽善的な事をしている」と強く感じながら,

ⅱ.それでも,自分の兄弟姉妹たち,自分を励ましてくれる兄弟たちには愛され,

自分もその人たちを愛し,霊的にはある意味充実し,

エホバの証人の教理,「真理」そのものへの確信は変わらず持っていたので,

 

自分の頭の中で「絶対正しい」と信じているものの中に,

説明のつかないおかしなことが存在するという状態は,

かなり心をむしばんだと思います。

 

これは,ちょうど,「エホバの証人の真理,教え」自体には確信があるものの,

その経路であるはずの「日本支部」から徹底的にそれと矛盾する対応をされた,

かつての北広島会衆の人たちの心理状態によく似ていたような気がします。

https://www.stopover.org/lib/Kanazawa/

 

 

【いろんな人に相談する】

 

こうした混乱状況や,

このままいくわけにはいかない,組織で評価される「何か」を身に着けないといけない,

と考えていた私は,当時信頼していた何人かの兄弟たちに,相談しに行ったりもしました。

 

①出身地域の大長老YA兄弟

 

思い切って相談に行ったのは,私の出身地域で毎回地域大会の大会監督をし,若いころには代理の巡回監督もし,自分が子供の頃に所属していた巡回区で間違いなく「もっとも立派な兄弟」とみなされていたYA兄弟でした。

 

YA兄弟には,私より歳が下の3人の息子がいて,まだ自分が日本語巡回区にいた時に,その一番上の息子と特に仲が良く,

その一番上の息子は,やはり10代の時にすでにべテルに招待されていました。

 

YA兄弟は,トロスト兄弟同様,なぜか,若いころの私をとても気に入ってくれていて,

この兄弟なら,その経験や愛情から行っても何かの答えをくれるのではないかと思いました。

 

YA兄弟は,私を家までよんでくれて,とても優しく,長く話を聞いてくれたのですが,

当たり障りのない話に終始してしまい,結局,何の答えも得られず,意気消沈して兄弟の家を去りました。

 

②自分の開拓奉仕学校の教訓者YO兄弟

 

同じ時期に相談に行ったもう一人の兄弟は,自分が開拓奉仕学校の時に教訓者で,

これまた若いころの自分をとても評価してくれて,かつ,私とK姉妹の事もとてもよく知っている兄弟でした。

 

この兄弟は,10代の時に長老になり,すぐにべテルに入り,支部委員の秘書や,

当時誰もが知っている劇のテープの主役や,ものみの塔のテープの声などもしていて,

おそらくそのまま支部委員になるだろうと,誰からも思われていたような,超有名なスゴイ兄弟でした。

 

YO兄弟は,べテルにいた時に病気になり,泣く泣くべテルを出て,私たちの巡回区内で特開者になりましたが,

べテルを出て特開者になった直後に開拓奉仕学校の教訓者になり,

その最初の生徒が私やK姉妹などでした。

 

その後の私の歩みも,それよりなによりべテルの内部の事情も全部知っているYO兄弟だったので,

兄弟からは何かの答えをもらえるのではないかと,藁にすがるような気持ちで,相談に行きました。

 

YO兄弟もまた,私を家までよんでくれて,とても優しく,長く話を聞いてくれたのですが,

YA兄弟同様,やはり,決定的なことは何もいわず,答えは得られませんでした。

 

兄弟にしてみれば,私が相当に追い詰められて苦悩していること,その理由も十分にわかりながら,

組織の上の立場にいるその立場上,言えることと言えないことがあったのだと思いますし,

日本支部に疑いを抱いて排斥される人を何人も見てきているので,

言葉を選ばざるを得なかったのかもしれない,と後で思いました。

 

ただ,YO兄弟は,話の一番最後に,

「もし自分が,いま,10代の兄弟だったら,自分は大学に行く」

とはっきり言った事だけはびっくりしました。

 

そのような発言をすることは,上記のような兄弟の立場を考えると,本来,考えられないことで,

立場上,いろいろものを言えない中で,その一言をいう事で,

人間としての本当の誠実さを見せてくれたのだと,今は思います。

 

【べテルのA兄弟】

 

いずれにせよ,他にもいろんな人に相談はしました。

 

ちょうどその頃,エホバの証人組織は,「言語訓練学校」というものを作り始め,

その「言語訓練学校」の「教訓者」を育成するという事で,

カナダの外語大学の学長をしているエホバの証人の兄弟を日本に招き,

べテル内で「教訓者のための言語学校」をまず準備しているときでした。

 

私は,そのべテルでの本チャンの言語訓練学校の実施の前に,

同じプログラムを通訳抜きで英語オンリーで受ける教育課程に参加し,

そこで,そのカナダの学長の兄弟や,べテルの「海外支援部門」のA兄弟と親しくなりました。

(A兄弟もまた,ものみの塔のテープの吹込みをしていましたし,今でもJw.orgを聞いていると,A兄弟の声を聴きます。)

 

そのA兄弟にも時間をとってもらい,話を聞いてもらいました。

A兄弟は,相談した人の中で,一番親身に,そして核心に迫る話をしてくれて,

「自分もべテルに長くいるが,IM兄弟,支部も『間違いを犯す』ことはあるんだよ」

と言ってくれました。

 

【混乱の中でかかってきた1本の電話】

 

私はこの言葉に救われた気もしましたが,

それでもなお当たり前の事ですが,今ある状況と現実が「絶対におかしい」という気持ちが何も変わりませんでした。

 

このように,

かたや「組織のやってることは偽善的で決定的におかしい」と感じつつ,

「その組織だけが真理の経路で,唯一の神の組織だ」という概念は絶対的に頭にあり,

頭が混乱した状況,そして鬱々とした状況が続きました。

 

そんな折,びっくりしたことに,べテルに入ってから1年して,私の所に,

なんとK君から直接,1本の電話がかかってきました。

 

そこで聞いた内容が,その後の人生の決定的な岐路に結びついてゆくことになりました。