お盆の時期には戦争当時に関係するドラマがよくあります。8月15日は終戦の日であり、決して忘れてはならない日。戦後育ちの人間にとっては戦争の悲惨さをしっかりと分かっておかないといけないことです。
タイトルは、戦時下にB29の搭乗者に対する生体解剖に関わった一人の医者が遺したもの。
戦後の裁判で手術実施者の一人として裁かれたことのドラマでした。
B29による空襲で多くの日本人が亡くなり、撃墜され捕虜となった搭乗者に対する処刑としてなされた行為であったようです。
戦争という異常事態では非人間的なことも普通に行われ、エスカレート化していったようです。
軍の命令が全てであったような状況下では、命令に逆らうことは不可能であったとも。
しかし、死刑囚として裁かれる立場になった当の医者は深く悩み苦しんだ結果、医者は人を治すことが使命であり、どんな状況であったとしても人を殺すことではないと自責の念にさいなまれることに。
最終的には首謀者ではなかったことから大きく減刑され、刑期後は終生を医者として過ごすことになりちょっとホッとしました。
しかしながら、当時のことについて「あんな状況では仕方なかった」と周りの人が言っても、
「しかたなかった」と言うてはいかんのです!と
話す姿が印象的でした。
戦争体験者の方々には心に秘めた当時の苦悩の日々が深く刻まれているのだと思います。
戦争を知らない世代がまた誤った方向に行かないように戦争の悲惨さを知る努力が必要と思います。
また、当の医者が示した職務に対する矜持には、今の世の中においても、いわゆる同調圧力ということに対する身の処し方を考えさせられます。