出張移動で読んでいた雑誌の記事、
脱サラして書店「Title」を開業した店主、辻山良雄氏のことが紹介されていました。
大手書店勤務を辞めて自分の書店を経営して行く中で、町の書店が近隣の人たちの生き方や考え方に影響を与えうることを実感しているのだと。
本を売ることに関しては、未来への責任感のようなものを感じるとも。自分の書店に来てくれる近所の子供達が絵本や児童書を通して触れることばは、その子の栄養になって人格を作っていき、ゆくゆくは社会を作っていくと。
大きな店で働いていたときは、どうしても、毎日何がどれだけ売れたかというデータとしてしか、本やお客さんのことが分からなかった。
社会は一人ひとりの人間で成り立っているという当たり前のことなんでしょうが、日々の仕事の中ではそんな考え方になかなか至らないです。
言ってみれば、お客さんといえども自分とは直接関係がない人たちですから、その人たちを通して社会を良くするために自分や自分の関わっている仕事が影響を与えているといった考え方には繋がりにくいものでしょう。
しかし、実際の社会生活はそういうことなんですね。この辺りに気づくことが非常に大事であると思います。
そして、上辺でなく、本当に思ったことを言うことでしか人には伝わらない。社会を良くしたいからこそ、目の前の幸せを大切にするとも。
コロナ禍で生活様式の変容が進んでいます。
社会との関わりを考える時間でもあると思います。