日産自動車の西川社長の辞任が決まりました。
社外取締役が多数を占める取締役会主導によるものだとして
社外取締役が機能した好事例となっています。
ただ今回の場合、カルロス・ゴーン氏の問題もあって、西川氏は当時の
取締役としての責任について既に問題視されていたこともあり、
報酬問題も出てきた結果、当然の流れだろうと思われます。
プロパー役員が言いにくいことをいう役目が社外取締役でもあるので
その意味で役目を果たしたカタチといえるでしょうが、
今回の場合は環境的に西川氏がダメだとの流れがあってのこと。
世の多くの実力者社長について、その不適格性を指摘することは
余程の不法行為でもあれば別ですが、なかなか難しいことのように思いますね。
業績不振が続いていても変わるべき人材が見つけられなければ意味がないでしょうし・・・。
かといって、赤字垂れ流しで社長交代ができないとなると、
株主的には大問題ですから『何とかしろ!』『辞めろ!』の声が高くなるのは必定でしょうが。
ガバナンスが叫ばれてはいますが、肝心の経営者育成についての議論が
いまひとつ進んでいないように思われます。
上場企業とはいえ、いわゆる、オーナー的な社長も多いだけに
社長交代=オーナー家の事業承継の色合いが強く、
『経営者』が育たない風土の会社が多いのではないでしょうか。
指名委員会等制度を導入している会社もありますが
変わるべき人材をどうやって見出し、育てていくのかが明確になっていないと
意味がないことになります。
さすがにグローバル企業クラスともなると社長候補者もいるのでしょうが
多くの中堅・中小上場企業では憂慮すべきことだと思います。
今後、『経営』を職務として行うことができる人材の育成トレーニングが
重要になってくるかと思われます。