経営者の仕事は意思決定することだといわれますが、
ビジネスにはリスクがつきものですからトップの暴走も気になるところです。
それだけに意思決定プロセスについてのガバナンスが求められています。
しかし、ビジネスの最終的な部分についてはトップの経営判断になります。
ある経営者の方との話で、ご自身が副社長のときと社長になってからとでは
精神的な負担が全く違うのに自分自身でも驚いたと言われていたのを思い出します。
この点、オーナー経営者にはビジネス・投資に対して独特の嗅覚があるように思われます。
オリックスが運営権を取得した関空・伊丹空港のコンセッションの例で感じましたね。
昨年12月時点では、三井不動産や東急電鉄など9社が応札に必要な事前審査を通過していたが、
今年5月の1次入札ではオリックス以外すべておりたと。
オリックスの宮内氏はリスク面で揺れた社内を一蹴したようです。
空港運営大手のフランス、バンシ・エアポートとの企業連合での応札であったとはいえ
45年間で総額2.2兆円という規模、その上、空港ビジネスには感染症、テロなどの
不気味なリスクもあって投資の決断が難しいところです。
上場会社ですから十分な検討審議を経たうえでのことでしょうが、
やはり、宮内氏のような絶対的なリーダーだからできた決断だと思います。
79歳のシニア・チェアマンの企業家マインドはまだまだ健在のようです。