先日の新聞に日本郵政が株式上場を見据えて
配当性向を50%以上にするとの記事が出ていました。
配当性向は税引後利益のうちから配当に回す割合ですから耳触りのいいメッセージです。
本来、配当は成果の分配ですから、株主への分配は残存利益の全額100%が原則でしょう。
しかしながら、企業の継続性を前提にすると、利益の一部を配当せずに
再投資として留保しておくことが会社側、株主側双方にとってメリットになるから
100%全額配当をしていないはずです。
すなわち、会社側は将来の成長原資を確保するため、
株主側も新たな投資先を探さずに安定投資先が得られるために
利益の一部を配当しないことで合意していることになります。
よって、配当性向が高い会社=いい会社とは一概に言えなくなります。
配当性向は、将来の成長のために内部留保したいと考える企業と
その成長性に期待して納得した株主の間で決まることになります。
配当性向50%以上ということが、実は将来の成長に自信がないため
株主に還元していくといったメッセージにとられると
上場後の株価にとってはマイナスになりますね。
配当は利息ではないので、株主は配当されない部分=内部留保の運用について
しっかり意識していかないといけませんし、
経営者はちゃんと説明していくことが重要になります。