平成23年2月5日(土) 晴れ
先日、TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ
(CCC)のMBOが発表されていましたが、今回はアート引っ越しセンター
でおなじみのアートコーポレーションがMBOを発表していました。

MBO(マネジメントバイアウト)は経営陣による企業買収と言われています。
一般的には、親会社からの独立であったり、敵対的買収に対する対抗策と
いった場合に経営陣が取るべき手法として馴染むものです。
また、事業の再構築が急務の場合にも、一旦上場を廃止したうえで
思い切った施策を実行するために行われることもあります。
この場合は、再上場が前提です。
いずれにしても、買収であることから多額の資金が必要であり、
ファンドなどからの資金提供が前提になります。投資資金の回収(出口)
を考えると、MBOの後は、再上場か第三者への売却かになるはずです。
この点、最近のMBOについては『その後』が気になりますね。
CCCにしてもアートコーポにしても創業経営者が健在で、上場コストの問題
はあるにしても、長期視点での経営を志向しての結果と伝えられています。
要は、オーナー経営者の所有欲、事業欲が根源にあるからではないかと思いますね。
個人的にはオーナー経営者によるMBOを否定しませんし、成長戦略の一つと思いますが、
ファンドなどの存在を前提にすると、『その後』の展開が知りたいですね。
オーナー企業としては、事業承継が大きな課題だと思いますが・・・・。
株式の非上場化でオーナーとしてもそれなりの借金を背負っていることでしょうし、
財産承継としてはマイナス財産の負担が増えたような気がしますし・・・。
経営承継についても、上場を経験してるだけに後継者を含む人材の育成面での環境も
整備されたということかもしれませんが、上場廃止したことでのブランド価値の低下が
求心力との関係で今後のリスクなのかもしれません。
ファンドなどの投資家とは、将来の再上場や第三者への株式売却について
の可能性で合意できているハズですが、友好的、安定的な株主機能を前提に
したものでないとオーナー系のMBOでは意味がないでしょうね。
どんなカタチにしろ企業は持続的に成長していくことが重要ですが、きわめて日本的な感じがします。
株式上場も成長戦略の一つでしょうから、当然、見直しも可能です。
一方で、企業が上場を維持していく魅力が欲しいところです。