屋外の置き場に移動したチランジア
多肉の話題でなくて恐縮だが、暖かくなってきたので、もうそろそろいいだろうと判断し、週末にチランジア(いわゆるエアープランツ)を屋外の置き場に出した。出したといっても、庭の切り株に(笑)、着生させているコルク材ごと木ネジで固定するのである。で、こうしてしまうと、あまりじっくりと観察する機会もなくなるので、成長具合を確認するために、取り付け前に写真を撮っておいた。
カプトメドゥーサ1号(現在)
導入した頃の姿
カプトメドゥーサは2株あるが、両方とも開花して子株が出てくるという経過をたどっている。ただし、この1号の方は生育のペースがゆったりしていて、子株もこんなサイズだ。以前はとりあえず着生していたものの、さすがに重量バランスが崩れてグラつき始めたので、ワイヤーで固定し直した。
カプトメドゥーサ2号(現在)
導入した頃の姿
その2号の方は、出てきて間もない子株の方まで開花に到るという、なんとも「生き急ぎ」的なことになっている(汗)。ご存じの方も多いとは思うが、開花したチランジアは子株を出して程なく枯れる。短期間で親株と同じくらいのサイズに急成長したこの子株は、まもなく孫株(?)を出すのだろう。同じ種類でも、ずいぶんと生育ペースに差が出るものだ。この人は以前から着生状態がよろしくなかったので、改めてワイヤーを巻き直しておいた。
イオナンタ
導入した頃の姿
写真の中のサイズが合っていなくて分かりにくいのだが、イオナンタは結構大きくなった。導入時は、元々小型の種類のイオナンタかと思われるほどのサイズだったが、どうやらそうでもないらしいと分かるほどに成長している。この人は着生状態良好なので、今後もワイヤーは必要ない。
ハリシー
導入した頃の姿
ハリシーも、ずいぶん成長したことが一目で分かる。ただし、まだグラつきがあるので、ワイヤーを巻き直しておいた。
ブッツィー
導入した頃の姿
ブッツィーは、導入してからまだ1年も経っていないので、顕著には成長していない。更には、上記の銀葉種たちとは性質が異なるグループなので、我が家の栽培環境に適応してくれるかどうか、まだまだ不透明なところがある。この人が丸々と成長してくれれば一安心なのだが、そもそもが弱光線と湿気や低温を好む種類らしいので、どうなることやら(汗)。
というわけで、銀葉種たちに限って言えば、生育状況は極めて良好である。昔、チランジアをうまく育てられなかった頃は開花などしたことがなかったので、個人的には隔世の感がある(感慨)。特に、ネット上で巡り会えたチランジア栽培の偉大な先人にならって導入した「着生栽培」が、大いに効果を発揮しているのではないかと思う。ついでなので、チランジアをうまく育てられない方々のために、僭越ながら栽培上のポイントをいくつか。
①「エアープランツ」という商業的なネーミング(←私は好きではない)から広く誤解されているが、チランジアは置物ではない。この植物の性質として、一年中室内でインテリア的に栽培するのはほぼ不可能であるという事実を受け入れること。この点をふっきれない栽培者は、年を経るごとに作落ちさせて、いずれはチランジアをミイラにしてしまうことになる。
②春~秋は屋外で目一杯通風を確保して育て、冬は室内に取り込んだ上、可能であれば加温すること。
③吸水させるためにチランジアを株ごと水につけ込む「ソーキング」は、栽培の手段としては禁じ手である。そもそも、自然状態のチランジアが何時間も水に浸かるような事態は起こり得ない。そんな異常かつハイリスクな手段をとらなくても、ホースでの水かけ(屋外)やシリンジ(室内)だけでチランジアは十分育つ。うちでは、(ちゃんと育てられるようになってからは)ソーキングなど一度もやったことがない。
④ただ置いておくよりも、ヘゴやコルク材などに着生させて育てた方がよく育つ。この事実は、上記の先人が比較実験によって明確に立証なさっていることであり、疑う余地はない。これはチランジアの性質にかなった栽培方法であり、我が家での栽培実績もそれを実証している。