ミジンのこと | 岩石翁の多肉ブログⅡ

岩石翁の多肉ブログⅡ

メセン栽培を主軸として、多肉植物の「岩石栽培」という新手法を実験中。その記録です。

 梅雨だから当然のことながら、雨続きである(暗)。日曜の午後は晴れる、などという予報もあったが大外れで、結局、多肉関係の作業はほとんど進められなかった。今日も風が南風のため場合によっては吹き込む可能性があるようなので、念のため置き場は閉じてある。そんなこんなで、今日は栽培方法的な話。

 多肉界ではしつこいほどに「ミジンを抜け」という。どの栽培マニュアルを見てもそう書いてある。事実、ミジンが含まれていると過湿状態が長く続くわけだし用土も固まりやすくなってしまうから、多肉栽培には良くないことだろう。だから私も今まで、当然のようにフルイを使って抜いてきた。でも最近、ちょっと待てよ、と思っている。というのは、なるほど確かに「普通の多肉用土」ならそういうことになるだろう。けれども私は「岩石栽培」をしているのだ。うちの場合、鉢内がほとんど石だから排水性はいいわけで、むしろ一部のリトープスでは細根が枯れるトラブルがあったし(汗)、もしかしたらサボテン類の一部も灌水間隔を短くした方がいいのではないかと考えているほどだ。植え方を改善した新型岩石鉢によって鉢の底部にある程度の保水力は持たせたが、それでも上の方は石の隙間に土が入り込んだだけの状態である。以前からの読者の方ならご存じのように、岩石栽培の場合、植え替え時に鉢から抜き出すと自然にバラけてしまうほどで、よほど根が回り込んでいない限り、逆に根鉢を崩さずに鉢替えするのが不可能なくらいなのだ。この状態で土部分のミジンを抜くことに、果たして意味はあるのだろうか? たとえミジンが入っていたとしても、何度かの灌水で石の隙間から下に落ちていき、むしろ底部の保水土の補強になる程度なのではないだろうか。また、こうも考える。私が岩石栽培の参考としている各種多肉の自生地の土壌には、ミジンは含まれていないのか? もちろん、そんなことはない。我が国と気候が違うという大前提は百も承知だが、現地では実際のところミジンたっぷりの土と石が混在する土壌に自生していて、時にはザーザー雨が降り、霧でジットリ濡れたりもする。私としては、湿気や熱帯夜の問題はあるものの、雨ざらしにできない品種はきっちり雨よけしているし、高温対策もそれなりに講じているつもりだ。それに加えて少なくとも岩石栽培をしているという時点で、普通の多肉用土で育成している場合よりも自生地の環境に近いはずだという自負がある。というわけで、(まだほとんど使っていないのだが)今回からミジンを抜かずに配合した土を準備した。今まで岩石栽培を続けてきた者として、感覚的にこれで問題ないような気がするのだ。なので、特に問題が生じない限り、今後私がフルイを使う場面は、使用後の用土から砂利と土を分離するための大雑把な作業だけになるだろう。