比較実験総括 | 岩石翁の多肉ブログⅡ

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メセン栽培を主軸として、多肉植物の「岩石栽培」という新手法を実験中。その記録です。

 土曜日は結構な風雨(しかも南風!)が来るというので万全の体制で身構えていたのだが、我が家の周辺に関しては普通の雨が終日しとしとと降っているだけで、特にどうということもなかった。まあ、それはそれで良かったのだが、他地域では結構な大雨だったようなので、お見舞い申し上げたい。

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シリンジで管理中の麗虹玉

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腰水で管理中の麗虹玉

 脱皮中の給水に関する比較実験中の麗虹玉2鉢。その後の経過はというと、シリンジ主体の方の進行状況が少々遅れている、といったところである。脱皮の進行に差が出ている原因は単純に腰水の方が給水量が多いためではないかと考えられるので、今後は1回あたりのシリンジの量を増やすかシリンジ自体の回数を増やすかすれば、腰水をしている方に追いついていくかもしれない。…と、管理上のことをぼんやり考えていたのだが、本来の実験目的に立ち返ってハッとした(←しっかりしろ!)。シリンジ実験の鉢の方は、脱皮中にもかかわらず微量灌水に近いような結構たっぷりめのシリンジを(当然、頭上から)しているのだ。それでも腐敗や異常脱皮等の異変が見られないということは、たとえ脱皮中の球体に水がかかっても問題はないということが証明されたということではないか。だとすれば、脱皮中の管理は「本気モード」ではない(笑)微量灌水を上からチョロッと普通にやればいいということではないのか…。

 いやいや、ちょっと待て。オリジナル青磁玉や再犯大津絵(苦笑)は、この時期の灌水量のコントロールを誤っておかしなことになったよな…。ん? そういえば、これらのメンバーは冬季降雨地帯産ではないか! なんだか、これでコトの真相が見えてきたような気がする。すなわち、冬季降雨地帯産の一部のリトープスは、脱皮時期にある程度以上の水分があると確かにおかしなことになる。したがって、断水に近い管理(かなり少なめな腰水とか)をした方がいい種類があることは間違いない。だが、他はどうなのかといえば、そうではない場合が多数派なのではないか。つまりこれは、「栽培法」全般の問題ではなく「性質の違い」に起因することではないのだろうか。なんだかそんな気がしてきた。以前にも書いたように、この時期に二重脱皮を起こしやすいリトープスは何種類かが知られている。ただ、リトープス黎明期(?)の栽培者たちは、それを見て拡大解釈した結果、「脱皮中のリトープスは断水しないと二重脱皮する」という短絡的な結論を導き出してしまったのではないだろうか。(※ただし、以上はあくまでも「岩石栽培」をしている私の環境下での話だと御理解いただきたい) というわけで、夏季降雨地帯産リトープスに関しては来年は腰水をやめて、普通の微量灌水かシリンジだけで脱皮時期の管理をしてみようと考えている。