帝玉の近況 | 岩石翁の多肉ブログⅡ

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メセン栽培を主軸として、多肉植物の「岩石栽培」という新手法を実験中。その記録です。

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大きい方の帝玉

 大きい方の帝玉は結局、外葉(帝玉の場合は「旧葉」にあらず)を1対枯らして2対に戻った。このサイズで無理して開花したために疲れてしまったのだろうか…。まあ、それならそれでよい。何度も書いているが、帝玉の葉の対数は本人の事情により減ることもある。元気でさえいてくれれば、慌てふためくようなことではないのだ。

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小さい方の帝玉

 一方、小さい方の帝玉は、やはり外葉が枯れきって今年も1対のままでいくらしい。とはいえ、導入当初よりもかなりガッシリしてきたので来年あたり2対になるかもしれないが、それも本人次第だ。いずれにせよ、焦ることなく(過去の失敗を繰り返さないように)粛々と育てていく。しつこく言っておくが、帝玉が「冬型種」でこれから「休眠期」に入る、などというのは大嘘である。帝玉をまともに育てたいのであれば、暑くなっても遮光などしてはならない。断水もしてはならず、夏季休眠などもってのほか。本来はまさに、これからの季節が稼ぎ時なのである。したがって、そのように管理をしてやれなければ、気候的に過ごしやすくなったはずの秋口以降に(冬型種だと思い込んで管理してきた栽培者にしてみれば不可解としか言いようのない出来事だろうが)当然の結果として衰弱死する。これは帝玉栽培失敗の典型例の一つであって、過湿を原因とする腐死ではない。よりによって成長期に(!)光合成に必要な光と水を断たれた結果、力尽きて死ぬのである。いくつかのグループや種の例外はあるものの、大部分のメセン類は明確な「休眠」などしない。いわゆる「夏季休眠」とは、高温多湿の我が国でメセン類を栽培するための模索段階で編み出された、特殊な栽培方法に過ぎないと考えるべきである(そしてそれが成功しているとは思えないわけだが…)。確かに、遮光すれば少しは涼しくなるだろう。しかしそれは同時に、成長期であるにもかかわらず光合成に必要な日光を(しかも、自生地よりも弱くて日照時間も短い我が国の日光を)削ってしまうことでもあるのだ。