読者さんからのコメント(←ありがとうございます)で、南蛮玉が帝玉のようになっているという情報が入った。要するに旧葉(外葉?)に萎縮する兆候がないとのこと。「えっ、南蛮玉も?」と思って、さっそくネットで画像検索してみた。すると、自生地での南蛮玉の2対化は確認できなかったが、栽培品では明らかに2対化した南蛮玉がいくつもあり、しかもそれらは立派な群生株であった。仮に、ディンテランタスの2対化がリトープスの二重脱皮のように生育にダメージを与える現象であるならば、このような群生株にまで育つはずはない。コメントを投稿して下さった読者さんもあれこれ難物種を手がけておられる方なので、初歩的な管理ミスで(リトープスでいうところの)二重脱皮に至ったはずもない。そこで、春桃玉についてももう一度調べ直してみたのだが、結果は南蛮玉と同様であった。つまり、自生地では確認できなかったが、栽培品では2対化して立派に育っているものがある。自生地のものでいうと、(なにしろこういう写真では区別が付きにくいのだが)妖玉か幻玉か奇鳳玉のいずれか(または全て?)は間違いなく自生地で2対化しているのだが、この現象をどう解釈したらいいのか(惑)。
以下はあくまでも素人による推論であるが、次のような可能性を考えている(※生態がリトープスに近い綾耀玉は除外して考える)。自生地の写真で確認する限り、少なくとも妖玉や幻玉あたりは2対化しているようなのだが、これらに共通する特徴はといえば、体表面に光をある程度通しそうな点がちりばめられている、ということである。これに対し、南蛮玉や春桃玉の体表面は(南蛮玉のシワは無視するものとして)灰白色一色で点はない。現時点ではディンテランタス各種の細かい分布状況や気候の違いまでは分からないが、以前からの(私の勝手な)考察から次のような可能性が導き出せるかもしれない。すなわち、体表面に点が存在しない白やグレー一色の、光線をガッチリ弾き返すような種類の方がよりハードな(より強光線で降水量が少ないような)環境に自生していて、点のある方はその逆なのではないだろうか。だからこそ、妖玉や幻玉などは比較的環境がマイルドな自生地だから余裕があるため2対化できるが、そうではない南蛮玉や春桃玉などは、それこそ給水量などの点で恵まれている栽培下でしか2対化できない、そういう可能性は考えられないだろうか。
ご存じのように、綾耀玉以外のディンテランタスは植物体を地上に出す形で自生している。綾耀玉については何ともいえないが、少なくとも他の5種は、他の属のメセンが耐えられないような強光線に晒されてもビクともしない体表面を備えていると私は考えている。したがって、条件的に可能であれば、過酷な環境に備えて2対化して体力を充実させるという選択肢も用意しているのではないのだろうか。

春桃玉の新々葉(?)
ちなみにうちの春桃玉はというと、徐々に新葉が大きくなってきた。やはりこのままどんどん成長したいらしい(汗)ので、旧葉がもっと枯れるまで微量灌水を続けながら見守るしかないだろう。先日の写真とは左右逆になってしまったが、新葉の合着部は少しは中央に寄ってきただろうか。これからの季節、うちの環境で与えられるだけの強光線だけはガンガン与えてやる。2対化でもなんでもいいから、とにかく元気に育ってほしい。そういえば、導入時の新葉(現在で言うと2対目の葉)は緑がかっていてディンテランタスとしては顔色が良くなかったのだが、今ではすっかり「いい感じのグレー」になってきた(喜)。