青磁玉不振の件もあり、冬季降雨地帯に関して改めて調べてみたのでまとめておく。ただし、入手できた各種元データ自体にばらつきがあるので、あくまでも個人的な分析であるとお考えいただきたい。
①冬季降雨地帯の領域について
アフリカ南部の冬季降雨地帯はそれほど広いものではなく、国で言うとナミビア国内はほとんど除外される。南アフリカ国内では、ナミビア国境付近の自生地で言うと青磁玉の自生地から繭形玉の自生地にかかるくらいまでが冬季降雨地帯であり、もう少し東の麗虹玉の自生地まではかからない感じだと思う(かかってはいないが境界付近なので、身割れしやすいなどの特徴が似ている気がする)。もう少し南部で言うと、大津絵の自生地がやっとかかる、といった感じだろう。距離で言うと、西海岸から2~300km程度の範囲内だ(メセン栽培とあまり関係ない、南部の沿岸部は除く)。
②冬季降雨地帯の降水量について
このように西部地域の一部が冬季降雨地帯であるわけだが、降水量は(場所にもよるが)夏季降雨地帯の平均よりも控えめだと思う。これはあくまでも個人的にあれこれデータを見比べてみた印象だが、季節は違うが同程度に降る、といった感じではない。更には、同じ西部でも難物種の留蝶玉や大内玉などが自生している沿岸部は、年間を通じてほとんど降雨がないに等しい。そして実は、青磁玉の自生地はこのような地域との微妙な境界線上にかかっている。これに対し、東に隣接する繭形玉の自生地の方には多少なりともまともな降雨があると思われる。
③フォグベルトについて
上記のほとんど降雨がないに等しい西部海岸地域では、季節によるが2~3日に1回程度、海で発生した霧による結露で留蝶玉や(リトープスではないが)フェネストラリアなどが水分を得ており、このことは多肉界ではよく知られていると思う。場所によっては、霧による水分供給量が降雨量を上回る場合すらあるらしい。だが、私が今回あれこれ調べて初めて知ったのは、この海霧の届く範囲が内陸100kmくらいにまで及んでいて、通称「フォグベルト」と呼ばれているらしいということである。内陸へ100kmくらいまでといったら、海岸地帯を越えて青磁玉の自生地までかかるくらいではないか。無論これはあくまでも地図上にプロットされたデータによる分析なので、実際のところはよく分からない。が、それにしても気になってきた。実際に青磁玉も霧による結露の恩恵を受けているのか、そして、それが降水量の少なさを補っているのか。いずれにせよ、実際にフォグベルトがどのあたりにまで達しているのか等については、まだまだ情報不足である。引き続き調べていきたい。
話は変わるが、現在使っているヤフーのブログサービスが終了してしまうことになったらしい。いろいろ面倒くさいが、しかたないので5月以降にアメブロに引っ越す予定である。時期が近づいたら改めて告知させていただくが、そういうことでお含みおきいただきたい。