今回導入した多肉を、うち仕様、つまり岩石鉢に植え替えることにするが、今春からうちの多肉は一斉に「新型岩石鉢」に切り替える予定なので、それらに先駆けてこれらを新型岩石鉢の仕様で植え替えることにした。で、春の植え替え時は忙しくて写真など撮っていられなそうなので、今回、岩石鉢の説明も兼ねて岩石化の手順を紹介しておくことにする。ブログが移ったこともあるし、ちょうどいい機会だろう。
それでは、繭形玉を例に岩石化の説明を進めていく。
まず用意するもの。最初に断っておくが、旧ブログでも説明したように岩石栽培の主役は石(軽石のような吸水性のある石ではない、いわゆる砂利)であり、「石と土の混合物=用土」ということになる。ややこしい話で申し訳ないが、混乱を避けるため当ブログでは、鉢の内容物全体を指す場合は「用土」、その構成要素の一部を指す場合は「土」という名称を用いることにする。以下、そのようにお読みいただきたい。
まずは用土の骨格となる石。ホームセンターでエクステリア用に売られている、見栄えの良い砂利である。粒の大きさは、メセンの自生地に転がっている石の大きさを参考に、これくらいがちょうどいいだろうと判断した。これより大きすぎると鉢に充填しにくくなる上に隙間が増えて土の使用量が多くなってしまうし、小さすぎると石の効果が十分に発揮できなくなるだろう。
次に土。土は、以前から使っていた我が家の標準培養土をそのまま使っている。赤玉土と鹿沼土を主体に燻炭やら珪酸白土やら何やらを適当に混ぜたものである(苦笑)。なお、鉢は普通のプラ鉢や堅焼き鉢を使っている。

①まず鉢底にいきなり土を入れる。普通の多肉鉢のようにガラは入れない。1~2cmほど入れたこの層が、岩石栽培における保水力の担保となる。
②その上に石を一層入れる。これは、いわゆるガラに相当するものではない。普通の多肉鉢とは逆で、ここからがメインの用土となる。
③石の隙間を埋めていく形で土を少し振り入れる。土の層を作るのではなく、あくまでも石の隙間を埋めて目つぶししていく感じで入れていく。
④土で目つぶししたら、その上にまた石を一層、そしてまた土で目つぶし。リトープス以外の多肉は、表層までひたすらこの繰り返しとなる。
⑤うちのリトープスの場合は深植えにするので、割と深めの所で植物を据え付ける。
⑥据え付けたら根の周囲にも容赦なく石を投入。リトープスの場合は根際の辺りまでしか岩石化しないが、先ほど説明したようにリトープス以外のメセンやその他の多肉全般は鉢の表層まで全て石を充填して岩石化してしまう。
⑦リトープスの場合は、例外的に表層付近に土を多く入れる。どうしてかというと、以前、成長した球体に石が食い込んでしまう事故が発生したことがあるからである。とはいえ表層付近にも、球体が大きくなっても干渉しない程度に小さめの石を混ぜ込んではある。
⑧これで完成。ちなみにリトープス以外の岩石鉢は、表層に石が露出する状態になる。この後、何度か灌水するうちに土が石の隙間に落ち込んで目減りしてくるので、それが落ち着くまでは適宜土を足してやる必要がある。今回はリトープスなのでなるべく深植えにしたつもりだが、これでも少々出過ぎている感じだ。本当は、もっと鉢の縁の高さにまで頂面が来る方がいいと思う。しかし、今回は脱皮も控えていることから、とりあえずこんな感じで。






