以前にも書いたが、そろそろ一区切りつけて岩石栽培の検証と軌道修正をすべき時期だと考えている。うちでは検証目的で大部分の多肉を見境なく(苦笑)岩石栽培化してきたのだが、改めて見回してみると、やはりどうも合っていない、もしくは特段の効果が出ていないと思われるものがいくつか出てきているのだ。なので、春の植え替え時にチェックを入れ、三つのグループに分けて今後の方針を決めることにする。
まず第一のグループは、性質がおそらく岩石栽培に向いていて栽培実績良好であるもの。具体的には我が家のメセン全種類がこれに該当すると思われる。以前、私の管理ミスで帝玉とダブネリをダメにしてしまった以外は問題はなく、どれもパンパンに育って花も咲かせているので、メセンは全般的に岩石栽培に適していると判断していいだろう。メセン以外ではハオルチアのオブツーサやガステリアの臥牛とグロメラータ、ロホホラのディフューサなどもそれぞれ元気に育っているので、これらも含めた特に問題のないグループは今後も現在の形で岩石栽培を続けていくことにする。
次に第二のグループだが、これは現在の形での岩石栽培による顕著な効果があまり感じられないもの。具体的にはサボテンのいくつかのグループがこれで、これらはメセンなどより成長速度が遅いということに加え、今年の夏の天候不順などもあり、生育状況の判断が難しい。属でいうとアストロフィツムをはじめとするいくつかで、これらについては根の状態が一つの目安になると思うので、春に根をチェックしてみて現在の形での岩石栽培を続けるかどうか判断したいと考えている。サボテン以外では、アデニウム、アガベ、ユーフォルビアなども根の状態をチェックして決めることにしたい。
最後のグループは、明らかに現在の形での岩石栽培には不向きだと思われるもの。具体的にはまず、いわゆる南米病がなかなか治まらないギムノである。岩石栽培の場合、用土の組成がほとんど砂利になるので、元々微量元素が不足しやすいのかもしれない。そして次に先日書いたマミラリアだ。一応、根の状態も確認はしてみるが、マミラリアも栽培方法を変えた方がいいだろう。サボテン以外では、ハオルチアの万象と玉扇、ガステリアの春鶯囀などが明らかに元気がなくなっているので、これらも後述する方式へと変更することになるだろう。
その方法とは、「新型岩石鉢」への移行である。現在の岩石鉢は、とりあえず最も極端な形、すなわち鉢内にしこたま石を詰め込んでその隙間をわずかな土で充填するというやり方でスタートしてみた。しかしどうやら、それでは水分量などが好ましくない場合があるようで、生育状態が好ましくない植物がいくつか出てしまっているのが現状である。なので、うまくいっていないものについては水分保持と微量成分確保の観点から鉢内の構成を変更することにする。具体的にいうと、普通の多肉鉢とは上下逆の用土構成にする、すなわち、上部を岩石主体の従来の岩石鉢の構成とし、下部は通常の多肉用土で満たすのである。メセンなどうまくいっている物以外をこの新型岩石鉢にすることで、岩石の効用を維持しつつ保水量や微量成分も確保できるようになるのではないかと期待しているのだが、いかがなものだろうか。