年齢的な要件でオートバイの運転に違和感をもったり

 

なぜだか周囲の人間から止めるように窘(たしな)められたりと

 

老いてもなおオートバイ(もちろんクルマもだが)を運転し続けることは

 

社会問題とまで云われるようになっているのが現状だ

 

該当年齢を迎えた人

 

該当年齢に近づいている人

 

ともに何となく肩身の狭い思いをしているのではないだろうか

 

一方では現実として中高年のオートバイ事故も率としては確実に増えている

 

中高年のオートバイ事故は

 

「リターン(ライダー)」と「マス(ツーリング)」の問題だとボクは考えているので

 

確率が示すこのバイアスにどれほどの意味があるのか甚だ疑問だ

 

何パーセントであろうと当事者は当事者だし

 

そうでない者は当たり前だがそうではない

 

飛行機で事故死する確率は580万回に1回(0.000017%ちなみにジャンボ宝くじよりは当たる確率が高い)

 

非常にわずかな数字だがその飛行機に乗っていればほぼ助からない

 

確率なんて直面する状況ではいつもリセットされているみたいなもんだ

 

そもそも中高年だから、気を付ける訳ではなく

 

道路を走る人は歩行者も含めて最大限に気を付けるべきなのだ

 

 

前回、法に基づいて交付される免許を受けている以上

 

運転する資格、能力を有しているはずだし

 

またそうでなければいけないと前提した

 

公道を利用するものが法規を遵守する義務は当然だが

 

事故を防ぐことも義務に近い

 

交通安全は努力義務ではなくて判然たる義務だ

 

「事故」というとなんだか向こうからやってくる

 

回避不可能なものだと思っているフシがある

 

しかし対人、対物ともに事故には過失の多い第1当事者が存在するように

 

原因を作る側がいるのだ

 

この原因を作る側にならない意識を強く持つことは非常に重要だ

 

センターラインを無自覚のまま習慣的に割り込む運転や

 

合図の不履行や遅れ

 

TPOを無視した非常識な速度超過

 

優先走行車にブレーキを踏ませる合流車、右折車

 

こういった行為が事故を引き寄せているのではないだろうか

 

もちろん単独の自爆事故なんて問題外だ

 

そんな輩は今すぐ運転を止めたほうがいい

 

それでも本当に事故の原因の一つが高齢ドライバーなのだろうか

 

一括りにしてレッテルを張り

 

思考停止のまま議論を打ち切る現代人の悪いクセだ

 

 

今乗っているオートバイが自分には大きすぎるんじゃないか、と云って

 

もっと小さくて取り回しのいいものにしたい、とか云うおっさんたちを

 

「ただ新しいオートバイが買いたい」という苦しい言い訳だと

 

前回は切り捨てた

 

まあこれまでのオートバイライフにおいて

 

都合32台もオートバイを買ってきた自分が云うもオコガマしいとは思うが

 

「体力の衰え」をいい訳にしてオートバイを買おうなど

 

老トルライダーの風上にも置けぬというものだ

 

欲しいなら買え!

 

理由などそれで十分だ

 

オートバイなんてそんなもんだ

 

それに多くのオートバイを経験することは

 

確実にオートバイへの理解を深めてくれる

 

 

そんなこんなは様々あったとしても

 

老いて、体力面の問題でオートバイを諦めるのかどうかを

 

ダウンサイジングという視点で考え直してみるというアプローチは

 

今後ますます一般的になるかもしれない

 

80歳の自分の体力や認知力など想像では理解できない

 

実際にオートバイの取り回しがしんどくなった時

 

「もう少し(車重が)軽ければいいのに」とは考えるかもしれない

 

けれど良くも悪くもレプリカ世代のボクたちが

 

オートバイなら何でも良いということは有り得ないんじゃない?

 

 

ボクがオートバイに乗り始めた1980年頃は

 

自動車免許の普及一般化が進み

 

二輪ではその普免でも乗られるソフトバイクと云われる

 

女性向けの原付が大当たりしていた

 

テレビコマーシャルに女優さんや外タレを起用するほど注目され

 

国内2輪メーカーはシェア争いに突入していった(俗にHY戦争と云われる)

 

こうして2輪車が身近になることで

 

若者を中心とするバイクブームへとつながっていくが

 

しかし、一方で交通戦争とまで云われた交通事故増加を背景に

 

大型2輪車への規制は強化され(メーカーによる馬力の自主規制も始まった)

 

中型限定(排気量400cc未満)免許の導入や教習制度の見直し

 

また全国的に高校生には2輪を禁止する「3ない運動」も広がった

 

国内市場におけるシェア争いは中型を中心に展開され

 

2スト250ccと4スト400ccはパワー競争という

 

わかりやすくも不毛な戦いへ突入していった

 

400ccが48psから水冷化されて59psへ

 

250ccの2ストは最高馬力が45ps(メーカー自主規制値)だが

 

トルクは3.8kgf-mと400ccとまったく遜色なかった

 

実際2スト250ccのダッシュ力は車体の軽量さもあって異次元で

 

公道のスポーツバイクはおそらくこれが最適解なのだと今でもそう思う

 

 

「いま、私と出逢えるライダーは幸福である。」

 

とは88NSR250R(NC18)のカタログにあったコピーだが

 

正にあれを経験できただけでも20世紀に生まれてよかったと心から感じるほどだ

 

それは良いのだが

 

結局その頃のボク等はメーカーの戦略にどっぷりと嵌り込み

 

オートバイについてまともに考えようとしていなかったと思う

 

思い返せばメーカーもそんな尖ったモデルばかりではなく

 

今見ると興味深い面白いモデルも確かにしっかりとラインナップしている

 

けれどごめんなさい

 

あの頃のボク等にはまったく目に入らなかったのだ

 

 

20代も後半になって

 

このまま免許制度を言い訳にして

 

400ccに甘んじていることへの疑問が湧いてきた

 

大型に乗った経験もなく中型に乗り続けるだけでは

 

本当にオートバイを理解したことにならないだろうと思ったのだ

 

巨摩群は普通にCB750Fに乗っていたし、聖秀吉は750カタナなのだ

 

しかし限定解除試験は難関だった

 

というより未知の領域だったのだ

 

合格率2パーセントとか云われて運転免許の中でも難易度が高かった

 

試験場へ見に行くと確かにほとんどの人が試験中止だったし

 

完走しても合格者は出なかったりしていた

 

けれど中型限定という条件付きの免許は

 

「下手くそにはナナハンは無理無理」と云われて

 

大人しく引き下がっているようにも感じたし

 

本当にこの先もオートバイに乗っていくのなら排気量の壁は取り去っておきたかった

 

幸いなことに大型2輪免許制度の改正に向けて自動車教習所でも準備が進み

 

限定解除試験向けの練習場として開放され始めた

 

ボクの近所にも試験場と同じレイアウトの練習場が出来たのでしばらく通った

 

なぜだかそこの先生はみんな厳しくてつらい練習ばかりだった

 

S字と8の字を延々と後ろから追われながら走ったり

 

1速のままコースを走らされたり

 

ハンドルをフルロックのまま曲芸のように延々とクルクル回らされたこともあった

 

しかも褒められることはまずないしね

 

あの頃はそんないい時代だった

 

おかげで無理だと決めつけていた限定解除試験に2回で受かった

 

1回目で完走できたけど優先道路へ合流する左折で

 

ギア抜けしてバランスを崩した減点が大きかった

 

 

練習場に通っている間

 

つらい練習の日々のモチベーションアップのために

 

レッドバロンへよく中古車を見に行っていた

 

ジェネシスエンジンのFZ750とか気に入ってたけど

 

結局、カワサキ好きだった流れでカワサキ初のTT-F1レプリカ

 

ZXR750なんて買ってしまった

 

当たり前だけどこいつ滅茶苦茶速くて狂暴だった

 

中型のレプリカなんて「騙されてた」とすぐに思った

 

そこからさらにオートバイ漁りは続き

 

最終的にZX12Rにたどり着いてようやく目が覚めた

 

 

その頃のボクのアベレージスピードはヨーロッパレベルで

 

今こうして誰も傷つけず自分も生きていられることに感謝したい

 

本当に反省と贖罪の日々だ

 

サルにパワーを与えるな、ということらしい

 

そのあと反動でボクはオフ車で山の中を走り回ることになるが

 

オフロードを求めて四国や紀伊半島へと遠征するうちに

 

長距離ツーリングに嵌ることになる

 

根本健、永山育生両氏に触発されてBMWにたどり着いた

 

それほど興味はなかったけれど

 

実際に走り出してみると

 

それはようやくスピードとパワーから解放されて

 

純粋にオートバイを走らせるよろこびに目覚めた瞬間だった

 

 

買い物に出たり病院に通ったりなら原付(原2も)でいいかもしれないが

 

楽しみでオートバイに乗るのにそこまで落とすと多分すぐ飽きる

 

APE100がかわいくて都合2回も買ってしまった経験があるし

 

仕事の都合でマジェスティCに乗ったこともある

 

なんとなく大型を遠ざけてエストレヤを乗り回していたこともある

 

けれど原2や軽2ではボクは満足できなかった

 

のんびりトコトコ、なんて無理だ

 

脳内の進む速度と実際の速度のズレが大きくて

 

どんなに見かけがかわいくてもイライラしてくる

 

駆動力!

 

駆動力がグッーと欲しいんじゃー!

 

もちろん現在でも2スト250こそベストだと思っているが

 

今となってはもう現実的ではないので諦める

 

ボクがもしダウンサイジングするのなら

 

「最低ライン」はエンジントルクが3kgf-mだということか

 

車重が200kg切っていれば2.5kgf-mでもいい

 

経験的にこれがオートバイに求める最低条件と最近は感じている

 

もちろん車重は軽いほうがいい

 

軽さはすべてに勝る

 

トルクが6kgf-mを超えていて車重が200kg

 

現行の600cc前後が公道を走る市販車のベストバランスと思うが

 

年金暮らしにはちと値段が高すぎる

 

だからダウンサイジングの最低ラインで云えばヤマハのMT-03あたりか

 

中古車を視野に入れれば選択肢は広がるから

 

エンジンの形式とかまで考慮できるかもしれない

 

 

ただ繰り返すがこれはボクのオートバイ歴も踏まえての考えだ

 

だからオートバイのスペックや外見に求めるものは

 

人の数だけあるはずだ

 

ただ単純に、取り回しがしんどいからダウンサイジングして、は

 

オートバイを知らなさすぎないか

 

もっとこだわって欲しい

 

だって好きでオートバイに乗っているんでしょ

 

好きなオートバイのためなら腕立てとスクワット

 

できるよね?

 

結局、コレ

 

 

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