このブログを始めた頃のボクは相当な「雨男」だった
雨にまつわる悲惨な体験は数多い
東北地方へ3泊4日で出かけた時には毎日雨に降られた
行きは深夜の高速道路だった
深夜の雨の高速ってどんなにポジティブにかまえても消化試合にしか思えない
果てしなく強弱を繰り返す雨に30分も気力は持たず
牧之原SAですでに途方に暮れていた
東京に着いても雨
その後福島あたりで一瞬止んだだけで
その日の宿をとった岩手の田老までずーっと雨に降られた
翌日は八甲田から十和田湖に向かって雨と霧
竜飛岬では豪雨の中カッパを着たまま「津軽海峡冬景色」を熱唱してやった
(歌碑の赤いボタンを押すと大音量でかの名曲が流れる仕組みになっている)
帰りは日本海側を一気に南下したが
新潟から高速に乗ると西から台風が迫ってきた
聖高原を越える辺りで豪雨と霧
どうにかしてるぜ、と自身の定めを呪いながら
恵那山トンネルを抜けると台風も突っ切っていて雨は上がり星空が広がった
極めつけは帰り着いた翌日が洗車日和の良い天気だったことだ
オートバイ乗りにとって「雨男」である事実はあまり喜べた話ではない
ただ自然相手の楽しみである以上
照るか曇るか、はたまた降られるかは
想定こそできても絶対に何ともならないものだともいえる
何ともならないことはそもそも考えても仕方がない
出来ることはそれに備えることだけ
予備の上着を持って行ったり
カイロやネックウォーマーをパニアに忍ばせたり
もちろんカッパ様はいつもシートカウルの中に入れっぱなしだ
ツーリングに出るときは防水仕様のブーツを履くし
ヘルメットもできるだけピンロックシートを取り付けるようにはしている
それでも久しぶりのロングツーリングだった去年の北海道では雨に嵌まった
雨を試したことのなかった防水ブーツは30分で浸水ズブズブ
新調したレイングローブはゴミのような製品だった
おまけに気温が10℃以下
その時の指のしびれがそのあと半月位取れなかった
軽い凍傷だったのかもしれない
雨や気温の変化はツーリングにつきものだから
本当にあまり気にしたことはない
雨の中でも結構楽しく走れる自信はある
ただどうもこのロートルの身体は確実に劣化しているみたいで
外界に適応する能力が相当落ちている節がある
考えても仕方がないのでこれにも少し備えが必要だろう
天気予報と云えば今は数値予報のためにスパコンまで導入されている
時間的地域的な精密さは確かに上がっているよう見えるが
肝心な正確性はそれほど変わっていないように感じる
もちろんボクは気象の専門家ではない
けれど物心がついてこの世界で繰り広げられるアレコレに興味を持ち始めた時
いちばん最初にボクが興味を持ったのは「天気予報」だった
見よう見まねで書いた日本列島の地図の上にグルグルと渦巻きを書き
「高」とか「低」とかいったマークを張り付け
(ちなみに低いという字は幼稚園児には理解不明だった)
明日は晴れるだの雨が降るだの印をつけていくのだ
小学2年生の頃にはすでに「前線」の意味を理解していたくらいだから
天気予報に一家言持つのは当たり前だ
そんなボクの印象だからあながち間違いとも云えないと思う
天気予報の精度はさほど上がっていない(断言!)
では天候の変化にどう備えるか
まあ、晴れて暑くなるのならさして問題はないのだ
上着を脱いで水分補給していれば良い
やっぱり雨とか雪とか異常な低温が問題だ
去年の北海道での経験はきっとこの時期の最悪のシナリオだった訳だから
あれをなんとか乗り切れれば良いということだ
ということで
今年は使い捨てカイロを一束用意
ウルトラライトダウンのジャケット(コンパクトにたたむことが出来る)
ダウンのベストにネックウォーマーを準備した
レイングローブはもう究極の形態をということで
裏起毛の防水ゴム手袋「テムレス」を2足
ヘルメットも普段のふざけたジェットではなく
アライのVZ-RAMにピンロックシートを取り付けた
今年は結果的にはダウンもカイロも一切使わなかったが
それはそれで何よりだった
けれど今回の日程を決める時に本当に天気なんかどうでもいいと
そんな風に考えていた訳ではない
フェリーの予約の都合(2か月前だと3割引き設定がある)で
2か月前に日程を決めなくてはいけなかったが
去年のこともあったのでなるべく雨の少ない時期を選びたかった
真偽のほどは定かではないけれど
「晴れの特異日」というのがあるらしい
なぜか晴れてしまう日だとさ
以前の体育の日「10月10日」がその特異日だとよく知られている
1964年の東京オリンピック開会式の日
前日までの激しい雨がウソのように上がり
開会式の時にはスタジアムの上空に快晴の空が広がった
その紺碧の空を5機のブルーインパルスが五輪を描いて飛んだのだ
あれほど「晴れの特異日」を印象付け納得させるエピソードはないだろう
実は10月の特異日の1番は15日だったらしいが
それが木曜日であったため日曜日だった2番目の10日が選ばれた
が、10月はそもそも雨の少ない時期なので本来はそれを特異日とは云わないそうだ
とは云えあのブルーインパルスの強い印象が
この「晴れの特異日」の逸話を語り継がせているのだろう
北海道の「晴れ」の日を検索してみたら
天気出現率 - 30年間の気象データを基にした全国各地の天気統計【みんなの知識 ちょっと便利帳】
というページがヒットした
道内14都市の天気出現率を個別に集計してある
データは過去30年の統計ということでかなり興味深い
あくまで天気なので0%とか100%なんて云うことはほぼないだろうし
統計期間が長くなればなるほどデータは平滑化するような気もする
そこはまあ統計数値ということで参考程度ではある
ざっと眺めてみると北海道はやはり5月が降雨率が低いみたいだ
予想に反して結構バイアスがある
そもそも日本全体の降雨日の確率は約34%(365日中124日)
北海道は全国7位で144日(約40%)
でもこの数字は北海道の面積の広さだったり
日本海、オホーツク海、太平洋と条件の異なる海に
ぐるりと囲まれている地理的な条件だったりと
他の都府県と単純に比べられないだろうが
雨の日の確率が40%を超える日は雨になる可能性が高いと考えてもいいだろう
各地点の細かい数字はご自分で確認いただくことにして
今回の行程に沿った各地域の天気出現率と実際の天候を照らし合わせて検証してみる
天気出現率 2025年当日の天気
5月26日 胆振地方 晴43.3% 曇30.0% 雨26.7% 曇り 一瞬小雨
渡島地方 晴63.3% 曇13.3% 雨23.3% 晴れ
5月27日 渡島地方 晴60.0% 曇13.3% 雨33.3% 曇り
檜山地方 晴36.7% 曇23.3% 雨40.0% 晴れ時々曇
後志地方 晴50.0% 曇20.0% 雨30.0% 晴れ
5月28日 後志地方 晴66.7% 曇13.3% 雨20.0% 晴れ
石狩地方 晴66.7% 曇13.3% 雨20.0% 晴れ
留萌地方 晴63.3% 曇10.0% 雨26.7% 晴れ
宗谷地方 晴43.3% 曇30.0% 雨26.7% 晴れ
5月29日 宗谷地方 晴43.3% 曇26.7% 雨26.7% 雪3.3 曇り
上川地方 晴60.0% 曇30.0% 雨10.0% 晴れ
十勝地方 晴56.7% 曇26.7% 雨16.7% 晴れ
5月30日 十勝地方 晴50.0% 曇26.7% 雨23.3% 晴れ
日高地方 晴60.0% 曇13.3% 雨26.7% 晴れ
胆振地方 晴53.3% 曇26.7% 雨20.0% 晴れ
結果だけ見れば相当な精度にも見えるが
たまたまの偶然なのかな、という見方が妥当と感じる
けれどやっぱり晴れに勝るものはないよね
これは本音
雨には雨の良さがあるとはいえ
晴れていると何とも気持ちがいいもんだ
三国峠はいままで景色を見られたことがなかったけど
今回は原生林に浮かぶ「松見大橋」を望めたし
(この写真だれがとってもこう写るね)
前回雨だったオロロンラインからは
霞んではいたけど利尻富士を眺められて溜息が漏れた
何度か走ったことのあるルートでもやはり晴れていると
すべてが輝いていて最高だ
だから「曇り上等」と呪文のように唱えていたボクだが
最後には「やっぱ晴じゃなくちゃね」とニヤニヤしていたよ
追記
因みに天気出現率の元のデータは過去30年ということでしたけど
1971年から2000年までの30年のようです とほほ……
参考までに









